演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

頭頸部粘膜悪性黒色腫に対する重粒子線治療 ―多施設共同後ろ向き観察研究―

演題番号 : MS28-1

[筆頭演者]
小藤 昌志:1 
[共同演者]
出水 祐介:2、齋藤 淳一:3、末藤 大明:4、辻 比呂志:1、沖本 智昭:2、大野 達也:3、塩山 善之:4、高木 亮:1、根本 建二:5、中野 隆史:3、鎌田 正:1

1:独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院、2:兵庫県立粒子線医療センター、3:群馬大学・重粒子線医学研究センター、4:九州国際重粒子線がん治療センター、5:山形大学・医学部附属病院・放射線治療科

 

目的:頭頸部粘膜悪性黒色腫は手術可能例でも長期予後が不良で、5年全生存率は25-46%と報告されている。また放射線治療に抵抗性であり、手術非適応患者に対して有効な局所治療がない。重粒子線治療は通常の放射線治療と比較して高い生物学的効果と優れた線量集中性を持つため、頭頸部粘膜悪性黒色腫に対して有効な局所治療となる可能性がある。現在国内では5施設で重粒子線治療が可能であるが、今回治療実績のある4施設(放医研、兵庫、群馬、九州)でのJapan Carbon-Ion Radiotherapy Study Group (J-CROS)による多施設共同後ろ向き観察研究の結果を報告する。対象と方法:国内の重粒子線治療施設において,2003年11月から2014年12月に先進医療あるいは高度先進医療として根治的な重粒子線治療を施行したN0-1M0の頭頸部悪性腫瘍症例について,多施設共同後ろ向き観察研究を実施した。このうち頭頸部粘膜悪性黒色腫症例を解析の対象とした.結果:解析対象は260例であった。男性:111例、女性:149例。年齢中央値は68歳。原発部位は鼻腔178例、副鼻腔43例、口腔27例、咽頭12例であった。新鮮例224例、治療後再発36例。病期はUICC第7版で診断された。T分類はT3:86例、T4a:147例、T4b:27例、N分類はN0:251例、N1:9例であった。重粒子線治療の照射線量中央値は57.6 Gy (RBE)、照射回数中央値は16回、治療期間中央値は28日であった。155例でDTICベースの化学療法が重粒子線治療に併用された。全症例の経過観察期間中央値は22か月(範囲:1-132ヶ月)であった。2年、5年全生存率はそれぞれ69.4%、44.6%。2年、5年局所制御率はそれぞれ83.4%、71.8%であった。全生存率に関する多変量解析の結果、DTICベースの化学療法の併用、腫瘍体積が小さいことが予後良好因子であった。局所制御率について多変量解析で有意な予後因子は抽出されなかった。重粒子線治療に伴うGrade3以上の急性期有害事象としてGrade 3の粘膜炎が42例、皮膚炎が4例に見られた。Grade3以上の晩期有害事象が33例(36部位)に認められた。視力障害が18例(20部位)に認められGrade3:13例(12例が白内障)、Grade4:5例であった。Grade3の顎骨障害が8例に発生した。結論:頭頸部粘膜悪性黒色腫の重粒子線治療成績が多施設共同後ろ向き観察研究により明らかとなった。頭頸部粘膜悪性黒色腫に対する局所治療としての重粒子線治療の有効性、安全性が示された。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:放射線治療

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