演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

進行膵癌に対するゲムシタビン併用WT1ペプチドワクチン療法ランダム化第Ⅱ相臨床試験

演題番号 : MS14-4

[筆頭演者]
小井戸 薫雄:1 
[共同演者]
西田 純幸:2、石川 剛:6、江川 新一:7、石井 淳:8、菅野 良秀:9、柳本 泰明:10、古倉 聡:6、森本 創世子:3、大庭 真梨:11、江口 英利:4、島田 英昭:8、本間 定:12、森田 智視:13、杉山 治夫:5

1:東京慈恵会医科大学・附属柏病院・消化器・肝臓内科、2:大阪大学・大学院医学系研究科・呼吸器・免疫アレルギー内科学、3:大阪大学・大学院医学系研究科・癌ワクチン療法学、4:大阪大学・大学院医学系研究科・外科学講座 消化器外科学、5:大阪大学・大学院医学系研究科・癌免疫学共同研究講座、6:京都府立医科大学・消化器内科、7:東北大学・災害科学国際研究所 災害医療国際協力学、8:東邦大学・外科学講座 一般・消化器外科、9:公益財団法人仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科、10:関西医科大学・外科学講座、11:東邦大学・医学部・社会医学講座 医療統計学分野、12:東京慈恵会医科大学・大学院総合医科学研究センター・悪性腫瘍治療研究部、13:京都大学・大学院医学研究科・医学統計生物情報学

 

【目的】われわれは、進行膵癌に対してゲムシタビン(GEM)併用Wilms' tumor gene (WT1)ペプチドワクチンの第I相臨床試験を実施し、治療相乗効果の可能性を報告してきた。今回、進行膵癌に対するGEM併用WT1ペプチドワクチン(GEM/WT1)の臨床効果を評価する目的で、多施設共同ランダム化第Ⅱ相試験を実施した。【方法】切除不能進行または術後再発の浸潤性膵管癌で、HLA-A*02:01かHLA-A*24:02、またはその両者を有する症例を対象とし、GEM/WT1群とGEM単独群へ1:1にランダム割付した。GEMはday1、 8、15に28日周期で投与した。HLA-A*02:01またはHLA-A*24:02拘束性のWT1ペプチド(3mg)とMontanide ISA51免疫アジュバントのエマルジョン製剤を、WT1ペプチドワクチンとして、day1と15に皮内投与した。尚、GEM群では、病状進行後にGEM/WT1療法へのクロスオーバーを許容した。主要評価項目は、1年生存割合(1yr-OS%)である。副次評価項目であるWT1特異的免疫反応は、WT1ペプチドに対する遅延型過敏反応(DTH)とtetramer法を用いたWT1特異的CD8陽性T細胞(WT1-CTL)を評価した。【結果】2011年5月から2014年6月までに91例が登録され、85例が最終的に解析対象となった[GEM/WT1群:42例(局所進行7例、転移33例、再発2例);GEM群:43例(局所進行9例、転移34例、再発0例)]。1yr-OS%は、GEM/WT1群35.7%、GEM群20.9%であった。無増悪生存期間(PFS)中央値は、GEM/WT1群157日、GEM群100日(HR 0.66, p=0.089)であった。この傾向はIV期(転移)膵癌において有意であった(GEM/WT1群 vs GEM群: 1yr-OS% 27.3% vs 11.8%; PFS中央値 107日 vs 76日 HR 0.50, p=0.013)。GEM/WT1群の50%で治療後にDTH陽性化を認めた。IV期(転移)膵癌でGEM/WT1群DTH(+)、GEM/WT1群DTH(-)、GEM群の、1yr-OS%は40.0%、20.0%、13.3%、PFS中央値は198日、87 日、100日であった。治療前におけるWT1-CTLは、両群間に差を認めなかったが、治療後にGEM/WT1群DTH(+)例で顕著に増加した。一方、GEM群では、WT1-CTLの増加は認めなかった。grade3以上の有害事象の出現頻度は両群間に差を認めなかった。また、WT1ワクチン関連の重篤な有害事象は認めなかった。【考察】GEM/WT1療法は、進行膵癌患者において、GEM単独療法に比較して1yr-OS%を改善し、PFSの延長が期待された。WT1ペプチドワクチンによるWT1特異的免疫反応の誘導が、治療効果の改善に寄与している可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:免疫療法

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