演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

切除不能進行膵癌に対する隔週Gemcitabine、隔日TS-1併用療法に関する臨床試験

演題番号 : MS14-3

[筆頭演者]
見城 明:1 
[共同演者]
土屋 貴男:2、齋藤 拓朗:3、武藤 淳:4、菅野 博隆:5、木暮 道彦:6、木村 隆:1、穴澤 貴行:1、佐藤 直哉:1、渡邊 淳一郎:1、丸橋 繁:1、後藤 満一:1

1:福島県立医科大学・臓器再生外科、2:公立岩瀬病院・外科、3:福島県立医科大学・会津医療センター・外科、4:独立行政法人労働者健康福祉機構福島労災病院・外科、5:米沢市立病院・外科、6:公立藤田総合病院・外科

 

はじめに:切除不能進行・再発膵癌に対する薬物治療は、GEM単独療法と比較して奏効率・病勢制御率の高い併用療法が推奨されているが、高率な有害事象が治療上の問題点ではある。GEST試験でもGS療法は高率な有害事象のためGEMまたはTS-1単独療法に対する優越性を示せなかったが、奏効率を下げず有害事象を軽減するプロトコールであれば1つの選択肢となりうる。
目的:切除不能膵癌症例に対するS-1の隔日投与とGEMの隔週投与の併用療法の有効性と安全性を検討すること。
対象・方法:切除不能局所進行・遠隔転移を有する膵臓癌患者を対象とした。S-1は80-120mg/dayを体表面積に応じて隔日(4day/w)で、GEMは1000mg/m2を隔週で投与し、14日を1サイクルとして計画し(薬剤強度はGEST試験のGSレジメンのGEM:75%, S-1:85.7%)、PDとなるかもしくは副作用により継続困難となるまで継続投与した。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢制御率(DCR)、安全性とした。GEST試験の結果を参考に、閾値奏効率を10%, 期待奏効率を29%としてα(片側)0.05、検出力80%として、目標症例数を30例とし2013年より本試験を開始したが、2013年末にFOLFIRINOXや2014年末にnab-PTX+GEMが一次治療として推奨されたため、登録可能であった11例について解析を行った。
結果: 年齢 66歳(中央値)、男 8例(72.7%)、PS0 9例(81.8%)、非切除因子(局所進行 6例 /遠隔転移 5例(肺 2例、肝 1例、腹膜 1例、肺 1例))、原発巣(Ph) 7例(63.6%)、CA19-9(中央値) 334.2U/ml、治療コース(中央値) 14(2-40)であった。ORRは27.3%、PFS 5.6M(95% CI 1.0-10.1), OS 11.4M(95% CI 2.4-20.5), DCR 81.8%で、1年生存率は45.5%であった。GEST試験のGS療法群の成績と比較ではORR、PFS、OS、DCRはほぼ同等であり、Grade3≦の有害事象発生率は血液学的毒性(白血球減少,好中球減少, 血小板減少,貧血)または非血液学的毒性(肝機能障害、食思不振、肺炎、発熱性好中球減少症) ともに低率(9.1-18.2%)であり、いずれもtolerable・reversibleであった。
結語:試験結果から、S-1の隔日投与とGEMの隔週投与の併用療法はGEST試験でのGS療法と比較して治療成績を下げることなく有害事象を緩和する可能性が示唆され、切除不能進行膵癌に対する治療法のオプションとなりうると考える。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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