演題抄録

理事長講演

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

社会とともに歩む日本癌治療学会

演題番号 : CL

[筆頭演者]
北川 雄光:1 

1:慶應義塾大学・医学部・外科

 

日本癌治療学会は、本邦最大の領域・職種横断的がん関連学術団体であり、横断的な診療、研究、人材育成のプラットフォームとして社会からの期待が寄せられている。
本学会は、がん診療に関わる各種診療領域とともに多職種によるがんチーム医療の重要な担い手である薬学、基礎医学をすでに専門科としているが、この度看護科を専門科として創設し、がん看護の観点からの幅広い活動を一層充実していくこととした。適正な臨床研究を遂行し、国民の福祉に資するために医師・研究者のみならず、これに関わる関連職種を育成するために認定治験コーディネーター制度を発足し、推進してきた。高度に進歩する一方で、複雑化したがん診療に関わる情報をより客観的に整理し、国民に伝えるためのがん診療ガイドラインの公開、評価、策定に関わる事業、そして地域の中でがん診療に関わる情報を個々の受療者に届けるための認定がん医療ネットワークナビゲーター養成事業などに一層注力する所存である。
現在、領域別に策定されている癌取扱い規約の整合性を持った標準化やNational Clinical Database、DPCデータを活用したがん登録の統合は、横断的、俯瞰的学会である本学会の責務と考え、新たに委員会を創設した。
がん診療の進歩の結果達成された「治癒」の先にある長い人生を支えるため、医師のみならず、すべての医療従事者、受療者自身が協調したサバイバーシップに取組まなければならない。こうした観点からPatient advocacy leadershipや、小児・若年がん患者がかかえる様々な課題へのアプローチも本学会が取り組むべき重要なテーマである。今後、より一層注目されるがん予防において、「小学生からのがん教育」は、長期的に極めて重要なテーマであり、この課題に引き続き取り組む姿勢を「がん教育支援横浜宣言2016」として社会に向けて発信する予定である。
近年、がん医療・研究のグローバル化が急速に進み、ASCO, ESMO, ECCOなど世界をリードする学術団体との連携を強化するのみならず、中国、韓国とともにFederation of Asian Clinical Oncology を設立し、国際連携に基づく臨床研究を着実に展開している。本学会は、国際的な連携を充実させつつ、本邦の社会環境を分析し、今後も社会のニーズに即した独創性、柔軟性のある活動を継続していく所存である。

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