演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

EQ-5Dを用いた苦痛のスクリーニング法の有用性

演題番号 : WS92-6

[筆頭演者]
宇良 敬:1 

1:愛知県がんセンター中央病院薬物療法部

 

背景:がん診療連携拠点病院の指定要件の改訂により、緩和ケアの早期介入を目標に苦痛のスクリーニ
ングが求められている。しかしスクリーニング法は確立していない。当院では初診時問診票に多元的な
健康関連QOLスコアであるEQ-5Dを取り入れており、自己記入式であるEQ-5Dのスコアを用いることの
緩和ケア早期介入のスクリーニングとしての有用性について関心がもたれた。EQ-5Dは自己記入式の問
診票の一部でありコストは不要で、侵襲も少ない。
目的:早期緩和ケア介入対象者の選定について、初診時EQ-5Dのスコアを用いるスクリーニング法の性
能を探索的に検討する。
方法:外来初診症例を対象としているため5項目からなるEQ-5Dのスコアのうち移動の程度の項目にお
いて、「ベッドに寝たきりである」との項目を削除した2段階に改変している。緩和ケア介入の早期介入
とは医療者から緩和ケアチームに介入依頼が初診日から15日以内になされたことをイベントと定義し
た。計測する項目はEQ-5Dのスコアと早期介入イベントの有無とした。早期介入のイベント発生を真と
したとき、EQ-5Dのスコアを用いた予測性をROC解析により最適なカットオフ値を導出する。カットオ
フ値以上を低リスク群、未満を高リスク群と初診症例を2区分し、早期介入イベント発生に対するEQ-5D
のスコアによる感度、特異度、尤度比を求める。調査対象期間は2013年9月から2014年9月までの外来初診
患者とした。
結果:調査期間中の外来初診患者は4046例。EQ-5Dの5項目全て記載したものは3752例。年齢中央値63歳。
EQ-5Dスコアは平均0.837[範囲:-0.349から1]。緩和ケアチーム介入は147例3.6%。15日以内の介入は33例
0.8%。ROC解析により感度と特異度の和が最大となる値をカットオフ値とした。EQ-5DスコアのAUCは
0.77とEQ-5Dスコアと早期介入の発生とは中等度の関連を示した。カットオフ値0.812が導出された。ス
コア0.812以上の低リスク群では早期介入イベント発生は0.3%、0.812未満の高リスク群では早期介入イ
ベント発生は1.8%と差異を認めた(<0.001)。EQ-5Dスコアで群別することは感度0.758、特異度0.634、陽性
尤度比2.072と中等度のスクリーニング性能を示した。
結語:EQ-5Dを用いた初診時スクリーニングは緩和ケアチームへの早期介入に関して中等度の感度をも
つ。今後のスクリーニング法の開発において本検討結果はスクリーニング性能の目安となる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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