演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

高度催吐性化学療法に対する標準制吐療法とオランザピン併用の有効性:第2相臨床試験

演題番号 : WS92-4

[筆頭演者]
安部 正和:1 
[共同演者]
笠松 由佳:1、角 暢浩:1、久慈 志保:1、田中 晶:1、高橋 伸卓:1、武隈 宗孝:1、平嶋 泰之:1、市川 義一:2、糸永 由衣:3、平川 東望子:3、奈須 家栄:3、村上 淳子:4、宮城 香乃子:4、伊藤 公彦:4

1:静岡県立静岡がんセンター婦人科、2:日本赤十字社静岡赤十字病院産婦人科、3:大分大学医学部附属病院産婦人科、4:独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院産婦人科

 

目的:高度催吐性化学療法(HEC)による化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)対する標準制吐療法の成績はまだ十分とは言えない。婦人科癌患者を対象に関西臨床腫瘍研究会(KCOG)で行った、シスプラチン(CDDP)を含むHECに対する標準制吐療法(パロノセトロン、アプレピタント、デキサメサゾン)の多施設共同第2相試験(KCOG-G1003)では、全期間(CDDP開始~120時間)の完全寛解率(嘔吐なし、救済治療なし) は55%と低率であった。一方、オランザピンはCINVに有効性が示されているが、標準制吐療法と一緒に予防的に併用した場合の制吐効果は検証されていない。この試験の目的は、同じく婦人科癌患者を対象に、CDDPを含むHECに対するCINV予防として、標準制吐療法とオランザピンを併用した場合の有効性と安全性を検証することである。
方法:KCOG婦人科グループに所属する4施設で多施設共同第2相試験(KCOG-G1301)を行った。CDDP 50mg/m2以上を含むHECを受ける、化学療法既往のない40人の婦人科癌患者が登録された。患者は化学療法前日から6日目まで入院で治療を受けた。標準制吐療法と一緒に、オランザピン5mgがCDDP投与の前日と1~5日目まで就寝前に経口投与された。CDDP開始~120時間の間、患者自身が悪心・嘔吐の状況を24時間毎に症状日誌に記録した。悪心の程度は0~10のNRSで評価された。主要評価項目は全期間の完全寛解率とした。副次的評価項目は急性期 (CDDP開始~24時間)と遅発期(CDDP開始後24~120時間)の完全寛解率、各期間の完全抑制率 (嘔吐なし、救済治療なし、有意な悪心なし; NRS 0~2)と悪心・嘔吐総制御率 (嘔吐なし、救済治療なし、悪心なし; NRS 0)、有害事象とした。試験は化学療法の1サイクル目に行った。
結果:全期間の完全寛解率は92.5%であった。急性期と遅発期の完全寛解率はそれぞれ97.5%、95.0%であった。急性期、遅発期、全期間の完全抑制率はそれぞれ92.5%、87.5%、82.5%、悪心・嘔吐総制御率はそれぞれ87.5%、67.5%、67.5%であった。グレード3、4の有害事象は認めなかった。
結論:標準制吐療法とオランザピンの併用は、標準制吐療法のみで検証したKCOG-G1003の成績よりも良好な結果であった。また、対象は全例CINVの高リスクである女性であったが、従来報告されてきた標準制吐療法の成績よりも良好であった。この4剤併用制吐療法は、HECによるCINVに対する有効かつ安全な制吐療法になる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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