演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

がん性疼痛、オキサリプラチン誘発神経障害性疼痛に対するオキシコドン投与の有効性

演題番号 : WS92-2

[筆頭演者]
長島 誠:1 
[共同演者]
大城 充:1、森山 彩子:1、門屋 健吾:1、川満 健太郎:1、佐藤 礼実:1、北原 知晃:1、高木 隆一:1、鈴木 淳一:1、瓜田 佑:1、吉田 豊:1、田中 宏:1、大城 崇司:1、岡住 慎一:1、加藤 良二:1

1:東邦大学医療センター佐倉病院外科

 

【背景】 オキサリプラチンを含むFOLFOX療法は,進行大腸がん患者の治療に広く用いられている。オキサリプラチンの継続投与は、用量規制因子となる末梢神経障害を誘発することが知られており、しばしば治療継続の妨げとなる。オキサリプラチン誘発末梢神経障害 (OIPN) の予防と治療については、オピオイドを含むさまざまな治療の有用性が実地臨床の現場で検討されているが、確固たる薬物治療の有用性は確立していない。我々は,大腸がん患者を対象に、がん性疼痛およびOIPNに対するオキシコドン徐放錠の有効性と忍容性を検討し、さらにFOLFOX療法の施行状況、全生存期間 (OS) について観察研究を行った。【方法】 本研究は単施設後向き研究である。東邦大学医療センター佐倉病院でFOLFOX療法が施行された64例の大腸がん患者を対象とした。FOLFOX療法施行中にがん性疼痛およびOIPNに対してオキシコドン徐放錠が投与されていた患者は29 例 (OXY 群)、投与されていなかった患者は35 例 (非OXY 群) であった。OIPN の発現率と重症度、FOLFOX の施行サイクル数、オキサリプラチンの総投与量、OSを両群間で比較検討した。神経毒性は,有害事象共通判定基準 (CTCAE) 第3版を用いて評価した。【結果】 FOLFOX療法を施行した64 例の全例でOIPNの発現が認められた。大部分の症例は、Grade 1、2の感覚神経障害であり、Grade 3の感覚神経障害は非OXY群の2例のみであった。OXY群の患者には、末梢神経障害でFOLFOX療法を中止した症例は認めなかったが,非OXY群では、高度の末梢神経障害のために10例でFOLFOX療法が継続できなくなっていた。OXY群と非OXY群におけるFOLFOXサイクル数の中央値は、それぞれ13 (6-46)、7 (2-18) であった (p < 0.05)。また、OXY群と非OXY群におけるオキサリプラチン累積投与量の中央値は、それぞれ1072.3mg/m2 (408.7-3385.3)、483.0mg/m2 (76.2-1414.1) であった (p < 0.05)。OSの中央値はOXY群で49ヶ月、非OXY群で35ヶ月であった (p=0.1)。【結論】 オキシコドン徐放錠は、進行大腸がん患者のがん性疼痛およびOIPNの症状を緩和しFOLFOX療法、積極的がん治療の継続を可能とし、OSの延長に繋がった可能性が示唆された。早期からのがん性疼痛の緩和、がん治療関連有害事象に対する積極的な支持療法は、患者のPSを良好に保ち、治療の継続が可能となることから、治療成績の向上に重要な鍵となることが考えられる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:支持療法

前へ戻る