演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

オピオイド誘発性の便秘症を有するがん患者を対象としたnaldemedineの第2相臨床試験

演題番号 : WS92-1

[筆頭演者]
奈良林 至:1 
[共同演者]
片上 信之:2、小田 高司:3、田内 克典:4、中田 健:5、篠崎 勝則:6、奥野 元保:3、河合 泰一:7、菊川 浩明:8、鈴木 隆二郎:9、中澤 秀雄:10、小島 寛:11、水谷 三浩:12、原 徹:13、朴 成和:14

1:公益財団法人がん研究会有明病院、2:財団法人先端医療振興財団先端医療センター、3:愛知県がんセンター愛知病院、4:社会医療法人財団慈泉会相澤病院、5:市立堺病院、6:県立広島病院、7:福井県立病院、8:国立病院機構熊本医療センター、9:豊橋市民病院、10:磐田市立総合病院、11:筑波大学病院茨城県地域臨床教育センター、12:三河乳がんクリニック、13:愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院、14:聖マリアンナ医科大学

 

背景:オピオイド鎮痛薬はがん疼痛治療の中心的な役割を担っているが,代表的な副作用としてオピオイド誘発性の便秘 (OIC) が知られている.Naldemedine (S-297995) はOICの治療薬として開発中の新規末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である.
方法:OICを有するがん患者に対し,naldemedine 0.1,0.2,0.4 mgまたはプラセボを1日1回2週間投与した.主な選択基準を,定時投与オピオイドを2週間以上使用し,緩下薬を使用しているにもかかわらず14日間のスクリーニング期の自発排便 (SBM) 回数が5回以下として患者を選択した.主要評価項目は,2週間の治療期における週当たりSBM回数のベースラインからの変化量とした.主な副次評価項目として,週当たりのSBM回数が3回以上かつベースラインからの変化量が1回以上であった患者の割合 (SBMレスポンダー率) を設定した.安全性評価項目として,有害事象,退薬症候 (COWS),疼痛強度 (NRS) を評価した.患者は排便ごとにBristol Stool Scaleに基づく便形状を日記に記録し,便形状が7に該当するものについては下痢として有害事象とした.主要解析はベースラインの週当たりSBM回数を共変量とする共分散分析を用いた.有意水準を両側0.05とし,2標本t検定で少なくとも80%の検出力を確保するため,目標症例数として212例 (1群53例) を設定した.
結果:227名の患者がnaldemedine 3用量またはプラセボに無作為に割付けられた.週当たりのSBM回数の変化量はプラセボ群:1.50,0.1 mg群:3.43 (P = 0.0465),0.2 mg群:4.75 (P = 0.0007),0.4 mg群:7.29 (P < 0.0001) であった.また,すべてのnaldemedine群において,プラセボと比較して有意に高いSBMレスポンダー率を示した.主な有害事象は下痢 (プラセボ群:25.0%,0.1 mg群:26.8%,0.2 mg群:39.7%,0.4 mg群:51.8%) で,その程度はほとんどが軽度であった.疼痛強度や退薬症候評価に臨床的に有意な変化は認められなかった.
結論:OICを有するがん患者に対して,naldemedineは有効性を示し,忍容性にも優れていた.本試験の結果に基づき,0.2 mg 1日1回投与が第3相臨床試験の用量として選択された.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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