演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

リンパ節転移陽性乳癌に対する乳房再建の適応判断

演題番号 : WS74-6

[筆頭演者]
麻賀 創太:1 
[共同演者]
木下 貴之:1、椎野 翔:1、神保 健二郎:1、高山 伸:1

1:独立行政法人国立がん研究センター中央病院乳腺外科

 

【はじめに】 乳房切除術に合わせて行う、一次一期あるいは一次二期乳房再建を希望する症例が増加しているが、再建後に放射線治療(PMRT)が必要になった場合、瘢痕拘縮を含む合併症の増加が懸念される。一方、腋窩リンパ節転移4個以上の症例に対してはPMRTの生存率改善効果が確定的であり、これを避けて通ることはできない。そこで、術前、術中に得られる情報から、4個以上のリンパ節転移があるかどうかを予測し、乳房再建の適応判断を下すことが求められる。
【対象と方法】 2008年から2014年までに触診および画像検査でリンパ節転移陰性と診断して乳房切除、センチネルリンパ節生検を行ったものの、術中迅速病理診断でセンチネル陽性が判明して腋窩郭清を施行した症例を対象とした。術前化学療法施行例は除外した。術前、術中までに知り得る臨床病理学的情報として、閉経状態(前、後)、BMI(25未満、25以上)、EICを含まない画像上の腫瘍径(3cm未満、3cm以上)、腫瘍の局在(外上領域、その他)、病理組織型(浸潤性小葉癌、その他)、組織学的異型度(HG1-2, HG3)、ER(陽性、陰性)、HER2(陽性、陰性)、術中迅速診断でのセンチネル陽性数(1個、2個以上)を取り上げ、乳房再建中止の判断が必要になるリンパ節転移4個以上の予測因子を統計学的手法により同定した。
【結果】 対象となる症例は292例であった。検討項目中、単変量解析では閉経前、浸潤性小葉癌、HG3、術中センチネル2個以上陽性の4項目が、PMRTの適応となる4個以上転移陽性の有意な予測因子であった。多変量解析では、このうち浸潤性小葉癌、HG3、術中センチネル2個以上陽性の3項目が統計学的に有意な(p<0.05)予測因子であった。
【考察】 以前当院で行った検討では、「術中センチネル2個以上陽性」が腋窩リンパ節4個以上陽性となる唯一の予測因子であったが、症例数を増やした今回の再検討では、これに加えて浸潤性小葉癌、HG3も独立した因子であることが判明した。よって、「術中センチネル2個以上陽性」を最終判断の基準としつつも、浸潤性小葉癌、あるいはHG3の症例については、再建後のPMRTがもたらすリスクについて、術前からより積極的な説明が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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