演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

有茎腹直筋皮弁による即時乳房再建術を併用した乳房切除術の治療成績

演題番号 : WS74-5

[筆頭演者]
大渕 徹:1 
[共同演者]
小野 正人:1、畑山 純:1、雨宮 厚:1

1:社会医療法人財団互恵会大船中央病院乳腺センター

 

【背景と目的】サンアントニオ乳癌シンポジウムでの報告によると米国で乳房切除術を受けた女性の即時乳房再建率は,2000年の15%から2010年の33%へと時間の経過とともに増加した.当院では,乳房切除・即時乳房再建術を1988年から行っており,今回はその成績を局所再発,生存率,合併症に注目して報告する.【対象】1988年から2014年6月までに当院を訪れ手術を受けた臨床病期0-III期の乳癌患者5098例のうち乳房切除例は839例(16%).このうち即時乳房再建術を併用した乳房切除例は231例(28%).【結果1】平均年齢45歳(25-73歳).平均臨床腫瘍径4.9cm(0.1-15cm),T1: 30例,T2: 94例,T3: 75例,T4b: 13例,T4d: 7例,Tis: 15例.臨床病期0期:15例,I期:29例,II期:124例,III期:66例.平均pN個数:2.2個,ER(+): 68%, PgR(+): 58%, HER2(3+): 15%. Skin Sparing Mastectomy (SSM)は166例(72%)(T3症例を29%含む)に行われた.再建方法は,有茎腹直筋皮弁:218例(94%),広背筋皮弁:1例,Implant:12例.腋窩郭清:87例(63%),腋窩サンプリング:39例(28%).胸壁照射併用:98例(42%)(3門:85例),化学療法:153例,ホルモン療法:141例.腹直筋皮弁を用いた乳房再建後の胸壁照射は,皮弁の虚血がなければ硬くなることはなく,整容性は良く保たれ,SSMにおいても安全に施行できた.観察期間中央値: 59ヶ月,5年胸壁再発率: 8%,5年領域再発率: 8%,5年遠隔無再発生存率: 76%,5年生存率: 89%.急性期合併症; Seroma:40例,感染:11例,血腫:11例,部分筋皮弁壊死:10例,Native Skin Necrosis:10例,深部静脈血栓症:1例.晩期合併症;上肢浮腫:13例,肩関節拘縮:1例,腹壁ヘルニア:2例,Fibrosis:2例.【結果2】SSM症例のうち断端陽性例は12例あったが胸壁再発はなかった.一方,SSMで153例の断端陰性例から胸壁再発が8例に認められ,そのうち7例が非照射例であった.SSMのうち乳頭乳輪温存を48例に施行した.照射併用は18例.胸壁再発は48例中2例で,いずれも非照射.皮膚に多発:1例,皮下:1例であった.【まとめ】乳房切除・即時乳房再建術の成績は通常の乳房切除と比べ遜色なく安全に行われた.腹直筋皮弁を用いた即時乳房再建後の胸壁照射は整容性を損なわずに施行できるので,照射の適応が考慮される症例に対しては自家組織による再建を選択すべきであろう.我々のSkin Sparing MastectomyはT3症例も適応としているが,胸壁再発率は通常の乳房切除群と差を認めない.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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