演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

乳腺内視鏡手術の工夫による乳腺切離断端の縮小と整容性の向上

演題番号 : WS74-3

[筆頭演者]
山下 浩二:1 
[共同演者]
柳原 恵子:1、武井 寛幸:1

1:日本医科大学乳腺外科

 

【背景】従来の乳癌手術のように、乳房上に大きな切開創を施す手術では、乳房上に肥厚性瘢痕を伴った大きな傷跡を残すことになり、極めて整容性に劣るため、我々は乳腺内視鏡手術(video-assited breast surgery: VABS)を使い、乳房上には傷を残さずに乳腺部分切除や乳腺全切除を行うことを実施してきました。2001年より400例以上の症例に施行し、良い結果が得られてきました。乳房温存術では、さらに術後の乳房整容性の向上を目的として、乳腺切除断端距離を最小限にすることが重要である。3D-CTの仮想内視鏡モードと術中超音波を用いて、VABSナビゲーションを試みた。術後整容性と根治性について評価し、新しい誘導技術の効果を検証しました。
【方法】VABSは、乳房温存術、乳腺全切除術、センチネルリンパ節(SN)生検、腋窩リンパ節郭清、乳房再建などを行い、腋窩アプローチか乳輪縁アプローチを使う。経腋窩後乳腺アプローチ(trans-axillary retro-mammary: TARM)は、腋窩の小切開創からのみの単孔式手術であり、乳房内側領域の病変に対しても腋窩創のみで手術を完結できる。各創の長さは、通常2.5cmであり、SN生検では1cmである。乳腺切開は、乳腺背側より十分な断端距離で行う。その際、仮想内視鏡モード3D-CT像を内視鏡手術画像に重複投影することにより誘導し、術中超音波検査により、腫瘍縁からの切除断端距離を正確に把握する。SN生検は、3D-CTリンパ管造影を行い、術中ナビゲーションを行った。術後の整容性評価はABNSWにより評価した。
【結果】内視鏡的SN生検を400例中に施行し、3D-CTリンパ管造影を300例に行い、仮想ナビでSNを正確に摘出出来た。VABSを450例、乳房温存術は400例、皮膚温存乳腺全切除術は50例行い、手術侵襲は従来法と同等で、術後重大な合併症はなかった。断端距離20mm計画での迅速断端陽性が224例中8例(3.6%)、10mmは127例中5例(3.9%)、5mmは49例中3例(6.1%)だが、術後標本で全例断端陰性。再手術なし。
【結語】乳腺内視鏡手術で、局所コントロールと整容性が良好であり、さらなる整容性向上を目的とした乳腺切離断端距離の縮小に、3D-CT仮想内視鏡モードおよび術中超音波が有用である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内視鏡手術

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