演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

非浸潤性乳管癌の乳房温存手術症例における乳房内再発とその予測因子の再検証

演題番号 : WS74-2

[筆頭演者]
升田 貴仁:1 
[共同演者]
榊原 雅裕:1、長嶋 健:1、三階 貴史:1、榊原 淳太:1、岩瀬 俊明:1、石神 恵美:1、羽山 晶子:1、中川 綾子:1、宮崎 勝:1

1:千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学

 

非浸潤性乳管癌 (DCIS) の外科手術の背景は、MRI診断の進歩と術式選択の拡大により大きな変貌を遂げた。我々はDCISに対する乳房温存手術において2005年から従来のフックワイヤー法に換えてMRIガイド法を導入し、根治性と整容性を向上させてきた (J Am Coll Surg 2008;207:62-8, 2014;219:295-302) 。一方、今日のDCISに対する術式選択では乳房温存手術と再建併用の乳房切除(乳腺切除)の選択が議論される。我々外科の基本に立ち返れば、根治性を担保した上で、低悪性度のDCISに対しては低侵襲性の乳房温存手術に再注目する必要がある。さらに進歩した画像診断の中でDCISに対する乳房温存手術の安全性を再評価し、全摘再建との術式選択に応用すべきである。そこで我々は今回、過去と現在のDCISに対する乳房温存手術の乳房内再発とその予測因子を再検証した。
(患者方法)1985年から2014年の当科でのDCIS手術症例512例を対象とし、乳房温存手術例における乳房内再発を検証し、またその予測因子を統計学的に解析した。
(結果)
512例中371例 (72.5%) に乳房温存手術が施行された。乳房温存手術症例371例における乳房内再発率は2.43%(9例:無再発生存期間中央値60ヶ月;浸潤癌6例)であった。またこの再発率は、同時期に施行した浸潤癌1241例に対する乳房内再発率 (1.93%) と有意差はなかった (p=0.5571) 。ヒストロジカルな評価では、MRIガイド手術導入前(~2004年)83例の乳房内再発率は6.02%(浸潤癌4例、DCIS 1例)、導入以降の現行症例(2005年~)288例の乳房内再発率は1.39%(浸潤癌2例、DCIS 2例)であった。臨床病理学的因子(DCIS長径、核異型度、断端陽性、年齢、Comedo壊死、乳癌家族歴、両側乳癌、乳頭分泌、照射、ブースト照射、ホルモン治療、ER発現、BMI)の解析では、単変量解析でDCIS長径、核異型度、ER発現およびBMIが、多変量解析では核異型度とBMIのみが乳房内再発に相関した。極めて興味深いことに、断端陽性、乳癌家族歴および両側乳癌は相関しなかった。
(結論)
DCISに対する現行の乳房温存手術の安全性が再評価された。本会では乳房内再発の予測因子についての詳細をディスカッションする。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:局所療法

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