演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膵癌術後補助化学療法の現状: 施行割合、成績、治療を妨げる原因について

演題番号 : WS71-6

[筆頭演者]
高橋 進一郎:1 
[共同演者]
小西 大:1、後藤田 直人:1、加藤 祐一郎:1、池田 公史:2

1:独立行政法人国立がん研究センター東病院肝胆膵外科、2:独立行政法人国立がん研究センター東病院肝胆膵内科

 

【目的】膵癌術後補助療法の現状と問題点、特に補助療法が施行できない理由およびその対策について検討する。【方法】術後補助療法が導入された2007年から2014年までに切除可能浸潤性膵管癌の診断で膵切除が行われた252例について後ろ向きに検討。1)術後補助療法の有無、補助療法のregimenによる予後を検討する。2)術後補助療法の有無による患者背景を比較すると共に未施行の理由について検討する。【成績】1)252例の全生存期間は28.5M、2生率は55.7%、5生率は24.3%であった(生存例の観察期間中央値:16M)。臨床病理学的諸因子の内、静脈侵襲v2,3、リンパ節転移、遠隔転移、組織型、術後補助療法、腫瘍径3cm超、CA19-9≧200U/mlはOSと有意な相関を示し、多変量解析の結果、リンパ節転移(HR=1.89)は予後不良因子、高分化型腺癌(HR=0.47)、術後補助療法(HR=0.44)は予後良好を示す因子と判明した。術後補助療法は最も強い予後因子であり補助療法あり186例のOS 38.7か月、2生率 66.4%は補助療法なし66例のOS 17.0M、2生率 28.5%と比較し有意に良好であった。また補助療法regimenによるOSを検討したところ、S-1が47.6M、GEMが34.2MとS-1補助療法を受けた患者99例のOSはGEM補助療法を受けた患者78例のOSと比較し優れていた。2)補助療法有り186例と補助療法なし66例の臨床病理学的背景を比較したところ、補助療法なし群は有意に高齢者、リンパ節転移例、CA19-9≧200U/ml例が多く腫瘍径も有意に大きかった。補助療法が行われなかった理由は、PS不良(27.3%)、早期再発(27.3%)が最も多く以下、治療拒否(14.5%)、術後合併症(10.9%)、R2切除(7.3%)、検査値異常(7.3%)であった。腫瘍因子(早期再発、R2切除)により補助療法の機会を逃した25例はその他の理由により補助療法を行わなかった41例や補助療法を行った186例と比較し有意に腫瘍径が大きく(3.5 vs 3.0 vs 2.8cm)、膵外神経叢浸潤の頻度が高く(44 vs 13 vs 25%)、予後が有意に不良(15.2 vs 20.2 vs 38.7M)であった。【結語】術後補助療法は切除例の約3/4に行われ明確な予後延長効果を示した。一方補助療法無しの場合予後は不良であり中でも早期再発を理由とする例では予後が著しく不良であった。適切なPICK UPが可能であれば術前治療の理論的根拠を有すると考えられる。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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