演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

膵癌術後補助化学療法後のCA19-9値は予後予測に有用である

演題番号 : WS71-5

[筆頭演者]
今岡 大:1 
[共同演者]
清水 泰博:2、千田 嘉毅:2、夏目 誠治:2、水野 伸匡:1、肱岡 範:1、原 和生:1、田近 正洋:3、田中 努:3、石原 誠:3、丹羽 康正:3、山雄 健次:3

1:愛知県がんセンター中央病院消化器内科、2:愛知県がんセンター中央病院消化器外科、3:愛知県がんセンター中央病院内視鏡部

 

<背景>近年、ゲムシタビンやS-1といった術後補助化学療法の進歩によって、膵癌根治的切除後の予後の改善が得られるようになってきた。一方FOLFIRINOX療法やnab-PTX+Gem併用療法といった化学療法の進歩により、再発後であっても予後の延長が期待できるようになり、膵癌術後の再発予測の重要性は増しつつある。
<目的>術後補助化学療法完遂後のCA19-9値と再発の関連性について後ろ向きコホート研究により検討すること。
<方法>対象は2001年2月から2014年12月までの間に当院にて膵癌に対して外科的切除が行われ、肉眼的治癒切除が得られた320例のうち、術後補助化学療法を完遂した119例。症例の抽出には、当院消化器内科および外科にて構築されたコンビューター化されたデータベースを用いた。早期再発は術後1年以内の再発と定義し、CA19-9の正常範囲(UNL)は≤ 37 U/mLとした。
<結果>術後補助化学療法完遂後のCA19-9が正常を示す群における無病生存期間(DFS)中央値は29.6ヶ月、高値を示す群では29.6ヶ月であった(log-rank p値: <0.001)。Cox比例ハザードモデルを用いて各因子について調整を行った後の、CA19-9高値群の正常値群に対するDFSハザード比は2.01(95%信頼区間: 1.16-3.47)であった。ROC曲線を用いた早期再発に対する術後補助化学療法完遂後のCA19-9の予測能はAUC; 0.714(95%信頼区間: 0.606-0.823)、カットオフ値は1.5xUNL(陽性的中率74.2%)と高く、DFS中央値は9.6ヶ月であった。
<まとめ>術後補助化学療法後のCA19-9値は独立した術後の再発予測因子であることが示された。とくに術後補助化学療法を完遂したにも関わらずCA19-9が1.5倍以上に上昇を示す症例では早期再発のリスクが高く、その経過に注意を要するものと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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