演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膵臓癌患者の術中迅速RT-PCRによる腹腔遊離癌細胞検出の有用性

演題番号 : WS70-6

[筆頭演者]
貴島 孝:1 
[共同演者]
上之園 芳一:1、又木 雄弘:1、有上 貴明:1、柳田 茂寛:1、大久保 啓史:1、西園 由香:1、蔵原 弘:1、前村 公成:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学医学部・歯学部附属病院消化器・乳腺甲状腺外科

 

【背景】膵臓癌は予後不良な疾患であり、切除例でも5年生存率は他臓器癌と比較して極めて短い。術後再発予測のため腹腔洗浄細胞診が有用とする報告も認めるが、腹腔洗浄細胞診の診断能は施設によっても相違があり、微量な癌細胞も含めた診断法の確立が望まれる。【目的】膵臓癌患者において腹腔鏡による腹腔内観察を行い、腹腔洗浄液の細胞診(CY)とRT-PCRによる診断と臨床学的検討を行った【対象と方法】膵臓癌64例において腹腔鏡下に上腹部および下腹部よりそれぞれ200mlで洗浄し100mlずつを回収した。腹腔洗浄水は、50mlずつを病理学的な細胞診と迅速RT-PCR法により検討した。RT-PCRはSmartCyclerⅡでCEAおよびCK19をプライマーとして用いた。良性疾患8例において得られた腹腔洗浄液を採取しコントロールとした。【結果】本RT-PCR法は40分での検出が可能であり、時間的に細胞診と同等の時間での診断が可能であった。良性疾患8例では全例でCEA、CA19ともにRT-PCR陰性であった。64例中切除症例は31例、非切除症例は33例であった。また、CY陽性は7例、CY陰性は54例、各進行度はstageⅠ:4例、stageⅢ:12例、stageⅣ:48例であった。全症例中RT-PCR陽性は21例、陰性は43例であり、CY陽性7例中6例でRT-PCR陽性であった。RT-PCR結果とT因子に有意な相関を認めた(T1-3vsT4, p<0.001)。また、切除例31例ではRT-PCR陽性5例中3例で再発を認め、2例に腹膜播種再発を認めており、RT-PCR陰性26例での再発11例と比較したところ、有意な差を認めた。(p=0.048)【結論】切除例においては腹腔洗浄液RT-PCR陽性では再発頻度が高く、再発を予測する可能性を示唆していた。CY陰性RT-PCR陽性例では、洗浄細胞診では診断の難しい微量な癌細胞の存在が示唆される。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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