演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

FDG-PETとナノ粒子造影剤を用いた分子標的薬投与後血液再潅流の予測モデル

演題番号 : WS61-6

[筆頭演者]
石橋 啓:1 
[共同演者]
熊谷 伸:1、熊谷 研:1、矢部 通弘:1、片岡 政雄:1、佐藤 雄一:1、秦 淳也:1、羽賀 宣博:1、櫛田 信博:1、柳田 知彦:1、相川 健:1、久保 均:2、小島 祥敬:1

1:福島県立医科大学医学部泌尿器科、2:福島県立医科大学医学部先端臨床研究センター

 

緒言:進行性腎癌患者に対する治療は分子標的薬、主にTKIによる治療が中心であるが、治療後に再度増殖を示す腫瘍もしばしばである。これまで私達は腎癌がTKI刺激によりIL-6を分泌しVEGFを誘導することがあることを報告してきたが、その予測は不可能であった。そこで本研究ではin vivoモデルにおいてFDG-PETとナノ粒子造影剤を用いてTKIによる血管新生抑制の後のVEGFによる血流再潅流が予測可能であるかを解析した。
方法:腎癌細胞株786-Oのヌードマウス皮下移植モデルを作成し、TKI単独および抗IL-6受容体抗体TocilizumabとTKI併用時の血管新生抑制効果をFDG-PETとナノ粒子造影剤を用いたCTにて経時的に解析した。画像処理装置IRWを用い,腫瘍の壊死領域の体積とSUV値を算出した。またナノ粒子造影剤ExiTron nano 12000を投与後経時的にCT撮影し腫瘍部分を対象にヒストグラム解析を行い半値幅の測定を行った。開始3日後、21日後にそれぞれ腫瘍を摘出しCD31免疫染色を行い、FDG-PET、造影CT所見と比較検討した。
結果:治療開始3日後のFDG-PETでSorafenib単独投与群とTocilizumab併用群での腫瘍内壊死領域はそれぞれ117±31 mm3と206±56 mm3であり併用群で有意に増加しており(p=0.02)、またSUVmax値は11.5±0.8に9.8±1.6と有意に低値であった(p=0.04)。造影CTのヒストグラム解析の結果Sorafenib単独投与群でピークCT値は低下、半値幅は上昇し、腫瘍の未熟血管から腫瘍組織内への造影剤の拡散を示していた。免疫染色では、CD31陽性細胞は治療開始3日目で一時的に減少したが分子標的薬単剤では21日目に再度増殖しているのが確認された。
考察:腎癌細胞において分子標的薬単独では腫瘍内血管新生が早期には抑制されるが、後にIL-6の分泌により再潅流を起こしていると考えられた。再潅流はナノ粒子造影剤の透過によるCT値と半値幅の変化から診断可能であった。またFDG-PETにおける早期SUVMaxの低下で再潅流は予測可能であると考えられた。本研究の結果から腎癌治療としてのTKI治療開始早期のCTヒストグラムとSUVMaxで治療効果が予測可能と考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:基礎腫瘍学

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