演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

転移性腎癌に対する2nd-line分子標的薬治療後の最大腫瘍縮小率と予後の関連性

演題番号 : WS61-3

[筆頭演者]
石原 弘喜:1 
[共同演者]
近藤 恒徳:1、高木 敏男:1、飯塚 淳平:1、小林 博人:1、田邉 一成:1

1:東京女子医科大学病院泌尿器科

 

目的:転移性腎細胞癌に対し、分子標的薬治療開始後の最大腫瘍縮小率は予後予測に有用であるという報告を散見する。しかし、2nd-line治療開始後における同様の報告は少ない。今回我々は、2nd-line分子標的薬治療開始後における、最大腫瘍縮小率と生存期間の関係性を検討した。

対象と方法:再発転移性腎細胞癌に対し2nd-line分子標的薬を投与した患者を後ろ向きに調査した。最大腫瘍縮小率はRECIST ver. 1.1により基づき評価した。生存期間は、分子標的薬投与開始後と2nd-line分子標的薬開始後の全生存期間をKaplan-Meier法とlog-rank試験を用い比較検討した。除外対象は、分子標的薬治療開始後、画像評価が未施行の症例、分子標的薬治療期間が1か月未満である症例、2nd-line分子標的薬開始後に転移巣切除術や放射線療法を施行した症例とした。

結果:92人が評価可能対象であった。2nd-lineで使用された分子標的薬の内訳はアキシニチブ(n=31)、スニチニブ(n=29)、エベロリムス(n=17)、テムシロリムス(n=10)、パゾパニブ(n=3)、ソラフェニブ(n=2)であった。2nd-line分子標的薬治療開始後、最大腫瘍縮小率としてPD (progressive disease)、SD (stable disease)、PR (partial response)、CR (complete response)を示したものは、それぞれ14人、64人、12人、2人であった。PD群 (n=14)、SD群(n=64)、CR+PR群 (n=14)に分け、全生存期間を群間比較した。PD群、SD群、CR+PR群において、1st-line分子標的薬開始後の全生存期間中央値は、それぞれ302日、704日、未到達であり、有意差を認めた (PD vs. SD, p=0.0004; SD vs. CR+PR, p=0.0248) 。また、2nd-line分子標的薬開始後の全生存期間中央値はPD群、SD群、CR+PR群においてそれぞれ、177日、456日、未到達であり、PD群とSD群間にて有意差を認めた(p=0.0109)が、SD群とCR+PR群間では有意差を認めなかった (p=0.0753)。

結論:2nd-line治療開始後の最大腫瘍縮小率は、予後判定に有用である。CR+PR群は予後が良好なため、腫瘍縮小効果の期待できる薬剤を慎重に選択する必要がある。その一方、PD群は予後が不良なため、その後の積極的な治療に対する必要性を常に検討する必要がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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