演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

転移性腎細胞癌におけるチロシンキナーゼ阻害剤の早期腫瘍縮小効果が予後に及ぼす影響

演題番号 : WS61-2

[筆頭演者]
三宅 秀明:1 
[共同演者]
桃園 宏之:1、今井 聡士:1、宮崎 彰:1、西川 昌友:1、古川 順也:1、原田 健一:1、日向 信之:1、村蒔 基次:1、藤澤 正人:1

1:神戸大学医学部泌尿器科

 

【目的】分子標的薬による一次治療としてチロシンキナーゼ阻害剤を導入した転移性腎細胞癌症例における早期腫瘍縮小効果が予後に及ぼす影響を検討した。
【方法】2011年4月から2014年12月までの間に、first-lineの分子標的薬としてチロシンキナーゼ阻害剤を導入した185例の転移性腎細胞癌を対象に、早期腫瘍縮小効果としてチロシンキナーゼ阻害剤導入後12週の時点における腫瘍縮小率を算出し、全生存との相関を解析した。
【結果】年齢の中央値は62歳、男性および女性症例は、それぞれ141例(76.2%)よび44例(23.8%)であった。MSKCC分類では、favorable、intermediateおよびpoor risk症例が、それぞれ59(31.9%)、91(49.2%)および35例(18.9%)であった。転移部別には、肺、リンパ節、骨、肝臓および脳転移を、それぞれ113(61.1%)、52(28.1%)、50(27.0%)、29(15.7%)および18例(9.7%)に認めた。185例中、120(64.9%)および65(35.1%)例に、それぞれsunitinibおよびsorafenibが導入された。全185例の無増悪生存および全生存の中央値は、それぞれ7.3および33.6ヵ月であった。早期腫瘍縮小効果を-100 ~ -50%、-49 ~ -25%、-24 ~ 0%および≧ +1%の4群に分けると、それぞれ9(4.9%)、43(23.2%)、61(33.0%)および72(38.9%)例が該当し、全生存の中央値は、それぞれ59.2、39.1、31.4および16.1ヵ月であった。単変量解析にて、腎摘除の有無、MSKCC分類、CRPレベル、肝転移の有無、転移臓器数、病理組織型、肉腫様成分の有無とともに、早期腫瘍縮小効果はcut off値を-50(-100 ~ -50% versus ≧ -49%)、-25(-100 ~ -25% versus ≧ -24%)および0(-100 ~ 0% versus ≧ +1%)%のいずれに設定しても、全生存と有意な相関を示した。これらの因子を多変量解析にて評価すると、MSKCC分類、CRPレベル、肝転移の有無に加え、cut off値を0%に設定した早期腫瘍縮小効果が全生存の独立した予測因子として同定された。
【考察】First-lineの分子標的薬としてチロシンキナーゼ阻害剤を投与した転移性腎細胞癌症例における早期腫瘍縮小効果は、全生存と密接に相関することが示された。したがって、転移性腎細胞癌症例に対する一次治療においては、良好な早期腫瘍縮小効果が得られる薬剤選択の重要性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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