演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

治療計画CTを用いた放射線治療による晩期骨有害事象の予見可能性についての検討

演題番号 : WS57-4

[筆頭演者]
北本 佳住:1 
[共同演者]
永島 潤:1、根岸 幾:2、佐藤 洋一:2、高橋 正洋:2、伊藤 郁朗:3、青木 宏:3、片貝 栄樹:3

1:独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター放射線治療科、2:独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター画像診断科、3:独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター婦人科

 

【背景】骨盤への放射線治療後の骨脆弱性がinsufficiency fractureの原因となることはよく知られている.恥骨や仙腸関節部の骨折は整復が困難であり,体動時の疼痛の原因となるため患者の生活の質を低下させる要因となる.これを発症前に予見し,対策を講じることが可能であれば,患者の受けるメリットは大きい.
【目的】骨盤への放射線治療を施行した症例の治療計画CTを用いて,治療後の晩期骨有害事象が予見可能かどう後方視的に検討する.
【対象】2010年2月から2014年3月までに高崎総合医療センターで根治的放射線治療を施行した子宮頸癌症例のうち,1年以上の経過観察ができ,無再発生存中の41例を対象とした.傍大動脈領域への照射を追加した症例は対象から除いた.年齢は32-79歳(平均58.4歳),診断時閉経前の症例が15例(36.6%),閉経後の症例が26例(63.4%)であった.FIGO分類による病期はⅠ期13例(31.7%),Ⅱ期25例(61.0%),Ⅲ期3例(7.3%)であった.放射線治療単独で治療した症例が10例(24.4%),化学放射線療法を施行した症例が31例(75.6%)であった.
【方法】治療計画CTにおいて骨盤骨の高濃度の領域(high density bone,H)と比較的低濃度の領域(low density bone,L)を認識し,骨全体(whole bone,W=H+L)の体積に対する高濃度の領域(H)の割合(H/W比(%))と治療後のCT上の骨変化及び臨床症状と比較した.有意差検定にはt検定を用いた.
【結果】放射線治療後のCTにおいて,骨変化は,変化が不明瞭な症例群16例(39%),骨濃度が低下した群12例(29.3%),骨折の頻発部位(恥骨や仙腸関節)の骨濃度が上昇した群11例(26.8%),骨折群2例(4.9%)であった.変化が不明瞭な群及び骨濃度が低下した群の治療計画時のH/W比は73.2%±8.5,骨濃度上昇群と骨折群の治療計画時のH/W比は64.1%±9.0であり,両者の間には有意差が認められた.
また骨盤レベルの症状(疼痛や神経症状)を認めない症例は24例(58.5%),認めた症例は17例41.5%)で,両者のH/W比はそれぞれ73.5%±8.7,65.9%±9.1であり,こちらも有意差が認められた.
【結論】子宮頸癌に対して根治的放射線治療を施行する症例において,治療計画時に骨盤骨のH/W比を計算することは,治療後の晩期骨有害事象を予見できる可能性がある.

キーワード

臓器別:子宮

手法別:放射線治療

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