演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

単腎機能の尿路上皮癌に対する化学療法前の糸球体濾過量推定および白金製剤使用の検討

演題番号 : WS44-5

[筆頭演者]
井上 高光:1,3 
[共同演者]
市岡 大士:2,3、成田 伸太郎:1,3、齋藤 満:1,3、土谷 順彦:1,3、羽渕 友則:1,3、西山 博之:2,3

1:秋田大学医学部泌尿器科、2:筑波大学大学院医学医療系腎泌尿器外科、3:CUREスタディーグループ

 

<目的>尿路上皮癌に対する化学療法前に、白金製剤選択や減量の為にGFR推定が行われる。Cockcroft-Gaultの式(C-G CCr) やeGFRによる推定法が浸透し、24hCCrの代用に汎用されているが、単腎機能でも適用可能かは解明されていない。単腎機能の尿路上皮癌に対する化学療法前の最適GFR推定法を探った。
<方法>2005-2010に尿路上皮癌に対する化学療法を国内19施設で受けた患者345例を収集したうち、24hCCr測定し1st-lineで白金製剤使用した205例を検討した。膀胱癌98例、腎盂尿管癌94例、合併例13例であった。24hCCr、C-G CCr =[(140-age)×体重kg]/(72×Scr)および日本腎臓学会推算式eGFR(男)=194×Scr-1.094×age-0.287、eGFR(女)= eGFR(男)×0.739を比較し、白金製剤選択および減量、効果、腎機能影響を検討した。
<結果>両腎機能例95例、単腎機能例110例であった。単腎機能例中、両腎があるが片側水腎例が52(47.3%)例であった。両腎機能例での24hCCr はC-G CCrやeGFRよりも有意に高値となった(75.2 mL/min、65.6 mL/min、64.6 mL/min/1.73m2、p = 0.003、p = 0.001)、単腎機能例でも24hCCrはC-G CCrやeGFRよりも有意に高値となった(64.1 mL/min、55.1 mL/min、52.9 mL/min/1.73m2、p < 0.001、p < 0.001)。両腎機能例では推定GFR60 ml/min以下のUnfitとなったのは24hCCr、C-G CCr およびeGFRで22(23.2%)例、35 (36.8%)および39(41.1%)例であり、有意にC-G CCr およびeGFRで多かった(p = 0.039、p = 0.008)。単腎機能例でUnfitとなったのは24hCCr、C-G CCrおよびeGFRで49(44.5%)例、72 (65.5%)および81(73.6%)例であり、有意にC-G CCr およびeGFRで多かった(p = 0.001、p < 0.001)。両腎機能例および単腎機能例で、4(4.2%)例および16(14.6%)例がCDDP以外の白金製剤が選択され、14(14.7%)例および31(28.2%)例で白金製剤減量が行われた。両腎および単腎機能例で効果および腎機能障害に有意差はなかった。
<結論>尿路上皮癌に対する化学療法前のGFR推定法はC-G CCr やeGFRの利用で24hCCrに比較し有意に低値となり、特に単腎機能例で顕著にUnfit例が増加した。しかし実際にはUnfit例にCDDPが減量なく使用された例も多く、単腎機能例で両腎機能例に比較し有意な効果減弱や腎機能増悪は認めなかった。特に単腎機能症例に対する化学療法時には、CDDP-unfitの定義は今後再考する必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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