演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

尿路上皮がんに対するIMRTを用いた高線量放射線治療の初期成績

演題番号 : WS44-4

[筆頭演者]
稲葉 浩二:1 
[共同演者]
原 智彦:2、篠田 康夫:2、込山 元清:2、柏原 大朗:1、小林 和馬:1、原田 堅:1、関井 修平:1、梅澤 玲:1、高橋 加奈:1、村上 直也:1、伊藤 芳紀:1、井垣 浩:1、藤元 博行:2、伊丹 純:1

1:独立行政法人国立がん研究センター中央病院放射線治療科、2:独立行政法人国立がん研究センター中央病院泌尿器・後腹膜腫瘍科

 

はじめに:腎盂・尿管がんや再発膀胱がんに対しての標準治療として手術、手術不能例には化学療法が施行されており、放射線治療の有用性に関する報告は少ない。当院において、手術不能や拒否例、化学療法も困難な症例で、原発や所属リンパ節に病変が限局している症例には高線量の放射線治療を行っており、その成績を報告する。
対象:2012年から2014年に高線量の放射線治療を行った9例が対象。いずれも強度変調放射線治療(IMRT)を用いて腸管や膀胱の線量を下げて放射線治療をおこなった。3例が根治目的の腎盂・尿管がん、6例が再発症例に対する救済放射線治療としておこない、原発は6例が腎盂・尿管がんで3例が膀胱がんであった。線量は66Gy/33分割が7例、60Gy/30分割が2例。化学療法の併用はせず放射線治療のみで治療を行った。局所制御率、無再発生存率、全生存率、急性期有害事象、慢性期有害事象について解析した。
結果:1年局所制御率、無再発生存率、全生存率はそれぞれ63.5%、33.3%、88.9%であった。初期効果として局所にCRが得られた症例は4例、PRは2例、SDは1例、PDは2例であった。照射後の再発病巣としては、局所が4例、領域リンパ節が3例、遠隔リンパ節が1例、肺が1例、肝臓が1例、腹膜播種が1例であった。腫瘍体積が70ccより大きい症例では、局所効果や全生存率が悪かった(腫瘍体積70cc以下の6例中4例がCR、70ccより大きい3例にはCRは得られなかった、カイ2乗検定でp=0.03であった。1年全生存率に関しては腫瘍体積70ccより大きい症例では66.7%、腫瘍体積70cc以下では100%であった。Log-rank検定でp=0.03であった)。重篤な慢性期有害事象はFistula形成が2例に、イレウスが1例に認められたが、いずれも残存再発腫瘍によるものであった。Fistula形成の2例は放射線治療の開始前から腸管への浸潤を認めていた。
考察:研究のLimitationとしてSelection biasがあげられるが、IMRTを用いて高線量を投与することで、腫瘍量の少ない症例にはある程度の効果が期待できる。腸管に浸潤しているような症例はFistula形成のリスクもあり良い適応ではないと思われる。
結論:IMRTを用いた高線量放射線治療は腫瘍量が多くなく、腫瘍が腸管などのリスク臓器に浸潤していない症例では治療選択肢のひとつであると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:放射線治療

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