演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

多施設コホートを用いた転移性尿路上皮癌の予後モデルの検証

演題番号 : WS44-3

[筆頭演者]
田口 慧:1 
[共同演者]
中川 徹:1、上村 夕香理:2、松本 明彦:3、長瀬 泰:3、川合 剛人:4、田中 良典:4、吉田 香苗:5、榎本 裕:5、佐藤 俊和:6、石川 晃:6、藤村 哲也:1、福原 浩:1、久米 春喜:1、本間 之夫:1

1:東京大学医学部泌尿器科、2:東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター 中央管理ユニット 生物統計・データ管理学部門、3:東京都立多摩総合医療センター泌尿器科、4:日本赤十字社武蔵野赤十字病院泌尿器科、5:社会福祉法人三井記念病院泌尿器科、6:東京逓信病院泌尿器科

 

【諸言】転移性尿路上皮癌の予後モデルは複数提唱されているが、Bajorinらが1999年に提唱した最初のモデルが現在も広く用いられており、次世代モデルの確立が望まれる。今回我々は、第Ⅱ/Ⅲ相試験のデータに基づいて作成された代表的な3モデルの妥当性を、我々の多施設コホートを用いて検証した。
【方法】2003-2011年に東京大学の関連5施設で救援化学療法を行った、転移性尿路上皮癌患者200例を後ろ向きに調査した。この多施設コホートを用いて、以下の3モデルの妥当性を統計学的に検証した。①Bajorinモデル:PS、臓器転移(J Clin Oncol 1999;17:3173)、②Apoloモデル:PS、臓器転移、ヘモグロビン値、血清アルブミン値(J Natl Cancer Inst 2013;105:499)、③Galskyモデル:PS、臓器転移の個数、リンパ節転移、原発巣、白血球数(Cancer 2013;119:3012)。予後予測力の指標として、各モデルのHarrell's c-indexを算出した。多変量解析はCox比例ハザードモデルを用いて行った。
【結果】男160 女40例、年齢の中央値68歳。経過観察中に171例が死亡し、生存期間中央値は12.0ヶ月であった。多変量解析では、PS・臓器転移・白血球数が独立予後因子として同定された。Harrell's c-indexの結果は以下の通りであった(括弧内は95%信頼区間)。Bajorinモデル:0.86(0.74-0.95)、Apoloモデル:0.89(0.78-0.98)、Galskyモデル:0.82(0.69-0.93)。
【結語】3モデルとも、高い妥当性を持つことが確認された。さらに、Apoloモデルは今回のコホートにおいて最も高い予後予測力を示した。次世代モデルの確立に向け、より大きなコホートを用いた更なる検証が望まれる。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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