演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

下部尿管病変の存在は腎尿管全摘術後の膀胱内再発の独立した予測因子である

演題番号 : WS44-1

[筆頭演者]
大塚 真史:1 
[共同演者]
田口 慧:1、中川 徹:1、川合 剛人:1、森川 鉄平:2、宮嵜 英世:1、藤村 哲也:1、福原 浩:1、久米 春喜:1、本間 之夫:1

1:東京大学医学部附属病院泌尿器科学教室、2:東京大学医学部附属病院病理学教室

 

(目的)
上部尿路癌(腎盂癌・尿管癌)に対する腎尿管全摘術後の膀胱内再発は約22-47%と高頻度に認められる。しかし膀胱内再発を予測する臨床病理学的因子は確立されていない。今回我々は、腎尿管全摘術後の膀胱内再発を予測する因子を、とくに癌病変の存在領域に着目して検討した。
(方法)
1996年から2013年の期間に当院にて腎尿管全摘術を施行した上部尿路癌186例を対象とした後ろ向き研究。診療録を調査して臨床情報を収集し、病理HE標本を再鏡検して病理学的情報を収集した。癌病変の部位は、癌が存在する最下端部位で定義し、腎盂・上部尿管(尿管下端から5㎝以上)・下部尿管(下端から5㎝以内)の3つに分類した。
(結果)
男性132例、女性54例、手術時の年齢は中央値68歳。術後観察期間は43ヶ月(IQR:17-79)。186例中86例(46%)で膀胱内再発を認め、再発までの期間の中央値は7.5ヶ月(IQR:4-15)であった。腎盂31例(31/82; 37%)、上部尿管21例(21/51; 41%)、下部尿管34例(34/53; 64%)で膀胱内再発を認めた。単変量解析では、下部尿管病変、多発腫瘍、リンパ管侵襲、膀胱癌の既往が、膀胱内再発の危険因子であった。GradeやpTstageは有意ではなかった。多変量解析の結果、下部尿管病変のみが膀胱内再発に関する独立した危険因子であった(HR 1.74, 95% CI 1.05-2.83, P=0.0304)。
(まとめ)
尿管下端から5㎝以内の尿管に病理学的に癌を認める場合、膀胱内再発のリスクは非常に高い。そのような症例には膀胱内注入療法などの再発予防や、重点的な膀胱鏡検査などの再発のチェックが考慮される。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:診断

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