演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

上部尿路腫瘍に対する経尿道的内視鏡治療:尿管鏡Surveillanceの有用性

演題番号 : WS43-6

[筆頭演者]
麦谷 荘一:1 
[共同演者]
佐藤 滋則:1、鶴 信雄:1

1:すずかけセントラル病院腎・泌尿器内視鏡治療センター

 

【はじめに】
上部尿路腫瘍(UTUC)に対する標準的治療は腎尿管全摘除術であるが、近年のEndourologyの発達により経尿道的内視鏡手術の適応が拡大し、low grade筋層非浸潤性癌では尿管鏡手術による腎温存手術が欧米(EAU/NCCN)と本邦の診療ガイドラインでは提示されている。我々はこれまでにUTUCに対する本治療成績について報告してきた(Int J Urol 13: 1-6, 2006)。今回、最近の治療成績とsurveillanceにおける尿管鏡手術の有用性、問題点について検証した。
【対象と方法】
尿管鏡下腫瘍生検にて尿路上皮癌(low grade、cTa-1N0M0)と診断されたUTUC症例のうち、本治療を選択した患者に対して尿管鏡下にレーザー (Ho: YAG and/or Nd: YAG) 治療を施行した。初回治療後1ヶ月目にSecond-look ureteroscopyを施行した。本治療の適応は当初単発(unifocal)、小腫瘍(2cm以下)としていたが、手術手技の確立に伴い適応を拡大して、最近では多発、2cm以上のlow grade腫瘍にも施行している。術後follow upとして尿細胞診検査あるいは画像診断にて再発が疑われない限り、原則として3-6ヶ月毎に麻酔下にて尿管鏡検査を施行した。
【結果】
19例に対して本治療と術後尿管鏡Surveillanceを施行した。平均年齢71歳(51-87)で、19例中14例(74%)はimperative case(単腎9例、合併症5例)であった。19例中3例(16%)は多発腫瘍であった。術後Surveillanceの尿管鏡検査は1例平均7回(1-22)施行した。上部尿路腫瘍の再発は13例(69%)に認められ(1例平均2回)、初回再発時期の中央値は7ヶ月(2-15)であった。再発総件数は38件で、その内訳はlow grade・小腫瘍(1-5mm):32件、CIS:5件、high grade:1件であった。再発腫瘍は全例surveillanceの尿管鏡検査で発見された。再発腫瘍(low grade)は、尿管鏡検査時に同時にレーザー切除した。観察期間中央値23ヶ月(3-169)で、2例に他因死を認め、2例は癌あり生存(AWD)だが、15例は癌無し生存(NED)している。1例のみ多発・high grade腫瘍の再発(grade up)を認めたため、腎尿管全摘除術を施行した。
【結語】
UTUCに対する内視鏡手術は、症例を選べば低侵襲で有用であり、長期生存 (NED) と腎温存が可能であり、制癌効果が期待できる。しかしながら上部尿路の再発率が極めて高いため、Surveillanceには定期的な尿管鏡検査が必須であることが問題点としてあげられる。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内視鏡治療

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