演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

上部尿路上皮癌リンパ節転移症例に対する術後補助化学療法の効果の検討

演題番号 : WS43-4

[筆頭演者]
藤田 和利:1 
[共同演者]
稲元 輝生:2、森 直樹:5、山口 誓司:3、高田 晋吾:4、辻畑 正雄:6、中山 雅志:7、鯉田 容平:8、高田 剛:9、原 恒男:10、氏家 剛:1,10、永原 啓:1、植村 元秀:1、東 治人:2、野々村 祝夫:1

1:大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科、2:大阪医科大学泌尿器科、3:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立急性期・総合医療センター泌尿器科、4:財団法人大阪府警察協会大阪警察病院泌尿器科、5:財団法人住友病院泌尿器科、6:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院泌尿器科、7:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター泌尿器科、8:東大阪市立総合病院泌尿器科、9:箕面市立病院泌尿器科、10:市立池田病院泌尿器科

 

背景:上部尿路上皮癌に対して腎尿管全摘及びリンパ節郭清術を施行した患者の5-10%にリンパ節転移を認めるが、それらリンパ節転移陽性症例に対する術後補助化学療法の有効性は未だ明らかになっていない。今回、後ろ向き多施設共同研究で術後補助化学療法の有効性を検討した。
方法:大阪大学、大阪医大、及びその関連施設のデータベースより腎尿管全摘除術およびリンパ節郭清術を行い病理学的にリンパ節転移陽性と診断された115例の患者を抽出し、術前化学療法施行した患者および残存腫瘍を認める不完全切除症例を除外した残る74例を対象とした。術後補助化学療法を受けた患者は45名(60.7%)であった。術後補助化学療法の有無と予後との関係をLog-rank検定にて検討した。またCox比例ハザードモデルを用いて多変量解析を行った(変数:年齢、性別、ECOG performance status, pT分類、pN分類、tumor grade、リンパ管脈管浸潤の有無、術後補助化学療法の有無)。
結果:術後補助化学療法非施行群の5年非再発生存率は13.5%であったのに対して、施行群は33.6%であった (hazard ratio [HR], 0.52; p = 0.014, log-rank test)。また術後補助化学療法非施行群の5年癌特異的生存率は12.0%であったのに対して、施行群は42.5%であった(HR, 0.36; p <0.001, log-rank test)。多変量解析を行うと、非再発生存率に関しては年齢およびpN分類(pN2以上 vs pN1)が有意に関連し(p < 0.05)、術後補助化学療法の有無は予後と関連する傾向を認めた(HR, 0.58; 95%CI, 0.32-1.05; p = 0.076)。癌特異的生存率に関しては術後補助化学療法のみが有意に関連していた(HR, 0.32; 95%CI, 0.16 - 0.65; p = 0.001)。
結論:症例数が少なく更なる検討が必要であるが、腎尿管全摘除術を施行しリンパ節転移を認めた上部尿路上皮癌患者に対して術後補助化学療法は予後を改善する可能性がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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