演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

免疫染色を用いた腎盂尿管癌におけるリンチ症候群のスクリーニングの試み

演題番号 : WS43-3

[筆頭演者]
鈴木 興秀:1 
[共同演者]
立川 哲彦:2、近 範泰:1、伊藤 徹哉:1、隈元 謙介:1、岡田 洋平:3、諸角 誠人:3、川上 理:3、山田 拓己:3、石田 秀行:1

1:埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科、2:埼玉県立がんセンター、3:埼玉医科大学総合医療センター泌尿器科

 

【背景】DNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とするリンチ症候群(LS)は,常染色体優性遺伝に大腸癌をはじめとして様々な悪性腫瘍が生じる.腎盂尿管癌は,LS関連疾患として知られているが,本邦における頻度や累積発生率などの詳細な解析がほとんどされていないため,日常臨床でLSに伴う尿路系の腫瘍を検出することは難しいと思われる.そこで,LSのスクリーニング法の一つである免疫染色(IHC)によるMMRタンパクに対する発現解析から腎盂尿管癌におけるLSのスクリーニングを行なった.【対象・方法】2005年3月~2014年3月の間に当院で切除術を受けた腎盂尿管癌106例を対象とし,MLH1とMSH2の2つのMMRタンパクに対するIHCを行った.【結果】男性83例,女性23例.年齢中央値70.5歳(39-88歳).腫瘍の主座は,腎盂53例,尿管53例であった.1つ以上の癌の既往を持つ症例は21例(19.8%)で,膀胱癌の合併が12例(11.1%)と最も多く,次いで大腸癌6例(5.7%)であった.IHCでは, MLH1:5例(4.7%), MSH2:8例(7.5%)の合計13例(12.3%)にミスマッチ修復タンパクの発現欠失を認めた.このうち, MSH2/MSH6タンパクの欠失が認められ,異時性の胃癌,横行結腸癌,直腸癌の既往歴を有する症例では,尿管癌・大腸癌のいずれでも高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を示したため,生殖細胞系列の遺伝学的検査を行なったところ,MSH2遺伝子に病的変異(c.2635-3del C)が確認された.【結論】腎盂尿管癌からリンチ症候群のスクリーニングを行うことの効率性・妥当性を検討するにはより多くの症例での検討が必要であるが,わが国においても欧米と同様,MLH1よりMSH2遺伝子変異が,リンチ症候群関連腎盂尿管癌の発症に関与している可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:診断

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