演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腎尿管全摘術を施行した上部尿路上皮癌患者における男女別の年齢が予後に与える影響

演題番号 : WS43-2

[筆頭演者]
小林 裕章:1,4 
[共同演者]
菊地 栄次:1、田中 伸之:2、城武 卓:3、宮崎 保匡:5、井手 広樹:6、小幡 淳:7、石岡 桂:8、松本 一宏:1,9、金子 剛:10、萩原 正幸:11,12、小坂 威雄:1,13、宮嶋 哲:1,14、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室、2:さいたま市立病院泌尿器科、3:埼玉医科大学国際医療センター泌尿器科、4:国家公務員共済組合連合会立川病院泌尿器科、5:医療法人財団荻窪病院泌尿器科、6:稲城市立病院泌尿器科、7:独立行政法人国立病院機構栃木病院泌尿器科、8:社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市東部病院泌尿器科、9:社会福祉法人恩賜財団済生会支部東京都済生会東京都済生会中央病院泌尿器科、10:川崎市立川崎病院泌尿器科、11:東京歯科大学市川総合病院泌尿器科、12:武蔵野陽和会病院泌尿器科、13:医療法人入間川病院泌尿器科、14:独立行政法人国立病院機構埼玉病院泌尿器科

 

【緒言】上部尿路上皮癌において診断時の年齢が癌特異的生存(Cancer specific survival; CSS)の予後因子となるかは,過去に男女の性差を考慮した研究が少なく未だ議論の余地が残る.本研究では,腎尿管全摘除術を施行した上部尿路上皮癌患者において,男女別に臨床病理学的因子とCSSとの関連性を検討し,診断時の年齢が予後に与える影響を評価した.
【方法】慶應義塾大学病院及び13の関連病院にて過去20年に腎尿管全摘除術を施行し上部尿路上皮癌と診断した839例を対象とし後方視的に検討した.全839例(男性610例,女性229例)を診断時の年齢別に(1)<60歳,(2)60~69.9歳,(3)70~79.9歳,(4)>80歳の4群に分け,年齢・性別を含む臨床病理学的因子と再発,CSSの関連を検討した.術後化学療法が施行された症例は140例(男性106例,女性34例)で,観察期間の中央値は34ヶ月(IQR:17-63)であった.
【結果】各群の内訳は(1)156例(18.6%),(2)245例(29.2%),(3)315例(37.5%),(4)123例(14.7%)で,全症例における年齢の中央値は70.4歳(IQR:63-78)であった.男性の年齢(中央値:68.3歳)は女性(中央値:71.8歳,p<0.001)に比し有意に低かった.尿路上皮癌死は192例(22.9%)に生じた. 3年CSS 率は,全839例を対象とすると(1)84.3%,(2)80.2%,(3)77.1%,(4)71.5%(p=0.001),男性のみを対象とすると(1)84.5%,(2)81.1%,(3)76.8%,(4)69.7%(p=0.010),女性のみを対象とすると(1)83.3%,(2)76.9%,(3)77.7%,(4)72.9%(p=0.287)であり,男女間で乖離を認めた.多変量解析では,男性においてはpT stage,LVI (Lymphovascular invasion),LN involvementとともに年齢(p=0.006)がCSSの独立した予後因子であった.一方,女性においてはtumor grade,pT stage,LN involvement,tumor multifocalityが独立した予後因子であり,年齢とCSSとの関連は認めなかった.
【結論】腎尿管全摘術除が施行された上部尿路上皮癌患者において,年齢が癌特異的生存に与える影響は男女間において異なり,性別を意識した術後の予後予測が重要であると考えられた.

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:疫学・予防

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