演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

全国アンケートによる腎盂・尿管癌診療の実態調査

演題番号 : WS43-1

[筆頭演者]
菊地 栄次:1 
[共同演者]
宮嶋 哲:1、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学病院泌尿器科

 

【目的】本邦における腎盂・尿管癌診療の実態把握を目的として全国アンケート調査を行った。
【方法】2014年2月に全国の基幹教育施設、ならびに関連教育施設にアンケート用紙を送付し腎盂・尿管癌診療の実態調査を行った。回答率は627/1199施設(52.3%)であった。
【結果】回答者の平均医師経験年数は25.6年であった。所属施設での腎尿管全摘除術の年間件数の分布は0-4件が244施設、5-9件が181施設、10-14件が113施設、15件以上が79施設であった。本アンケート調査において以下の点が確認できた。1)腎盂・尿管癌の検出に用いられる第一検査はCT検査が最も多く全体の74.7%(CT urography: 26.2%、造影CT: 48.5%)で、一方IVPは全体のわずか2.4%であった。2)画像上腫瘤性病変を認め自然尿細胞診陽性症例に対しては、全体の57.2%の施設で尿管鏡検査を施行する割合は20%未満であると回答し、一方自然尿細胞診が陰性であれば全体の64%の施設で尿管鏡検査を施行する割合は50%以上であるとの回答であった。3)主に開放手術を施行する施設(33%)と主に腹腔鏡手術を施行する施設(67%)との比較において、cT2以上N0症例に対しリンパ節郭清術を施行する割合はそれぞれ4.8%、13.1%であり、差を認めた。4)low grade・単発・腫瘍径1センチ未満の腎盂・尿管癌に対して、単腎症例であれば41.3%の施設が腎温存手術を行うと回答し、対側に健常腎を有する症例であればその割合は15.8%であった。5)術前高リスク腎盂・尿管癌(pT3以上あるいはpN+)が疑われる症例に対して術前補助化学療法を必ず施行すると回答した施設の割合は30.0%で、術後高リスク腎盂・尿管癌と診断された症例に対して術後補助化学療法を必ず施行すると回答した施設の割合は59.2%であった。6)腎機能正常の転移性腎盂・尿管癌に対しては、通常量のMVACあるいはGCを施行すると回答した施設が最も多く(90.8%)、一方腎機能障害症例に対しては腎機能に合わせて抗癌剤の減量を行い、GCを施行すると回答した施設が最も多かった(54.9%)。7)膀胱内再発予防目的に腎尿管全摘除術直後に抗癌剤の単回膀胱内注入療法を施行すると回答した施設は全体の12.4%であった。
【結論】本アンケート調査で本邦の腎盂・尿管癌診療の実態が把握できた。本アンケート調査は腎盂・尿管癌ガイドライン発刊前に施行されたが、今後ガイドラインを通して、より標準的な腎盂・尿管癌診療が広く行われることに期待したい。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:疫学・予防

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