演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

進行再発胃がんに対する化学療法誘発性下痢症の発症経緯及びカプセル内視鏡所見の検討

演題番号 : WS37-5

[筆頭演者]
安藤 孝将:1 
[共同演者]
細川 歩:1、三原 弘:1、高木 宏明:1、吉田 啓紀:1、植田 亮:1、南條 宗八:1、高取 俊介:1、藤浪 斗:1、梶浦 新也:1、小川 浩平:1、杉山 敏郎:1

1:富山大学第3内科

 

【目的】下痢は化学療法に起因する重要な毒性であり、原因薬剤としてフッ化ピリミジン系薬剤やイリノテカンが知られている。下痢を認めた際に一部の症例で腹痛や重篤な感染症を併発するが、実際にどの程度の消化管粘膜障害が起きているか検討された報告は限られている。今回は、進行再発胃癌に対してS-1及びCapecitabineによる化学療法中に、重篤な下痢症を発症した症例の発症経緯、及びカプセル内視鏡所見について検討した。
【方法】2007年4月から2014年12月までに、当院において進行再発胃癌と診断され、S-1又はCapecitabineを含む一次治療を受けた131例を解析対象とした。重篤な下痢症を、ASCOガイドラインに基づき、Grade3以上、又は、grade1-2に加え合併症(腹痛、嘔吐(Grade2以上)、PS低下、発熱、敗血症、白血球減少、出血傾向)を伴うものとした。このうち、カプセル内視鏡検査は、パテンシーカプセルが保険適応となった2012年7月以降に行われ、消化管開通性が確認された5例に施行された。
【結果】全131例中、重篤な下痢症は13例(9.9%)に発生していた。13例の背景因子は年齢中央値68歳(49-77歳)、男性/女性:6/7例、初発/再発:12/1例、転移臓器は肝/リンパ節/腹膜:5/8/6例であった。発症時期はcycle1が9/13例と最も高率で、11/13例で入院での加療を要していた。重篤な下痢症の原因となった化学療法は、S-1 based chemotherapy 11/111例, capecitabine based chemotherapy 2/20例であった。カプセル内視鏡検査では、4/5例と高率に小腸粘膜病変(小腸潰瘍1例、小腸びらん3例)を認め、いずれの症例も腹痛、発熱のため抗生剤投与を要していた。
【結語】進行再発胃癌における化学療法誘発性下痢症は、多くがcycle1で発症し、びらんや潰瘍などの明らかな粘膜障害を有しており、潜在的に感染症のリスクが高いことを示唆していた。その頻度や発症部位を明らかにするため、現在観察研究を施行中である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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