演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

当院の大腸癌化学療法患者におけるVTEの発生状況について

演題番号 : WS36-6

[筆頭演者]
大場 彩音:1 
[共同演者]
中村 路夫:1、松田 千佳:1、板谷 一史:1、小池 祐太:1、遠藤 文菜:1、佃 曜子:1、小野 雄司:1、工藤 俊彦:1、永坂 敦:1、西川 秀司:1

1:市立札幌病院消化器内科

 

【背景】担癌患者においては、血液凝固亢進状態が惹起され静脈血栓症(VTE)の発生リスクが増加することが知られており、欧米では癌患者におけるVTE治療に関するガイドラインも出されているが、本邦においては癌患者に対するVTEに関するエビデンスは乏しい。
【方法】2008年1月から2015年2月までに当院にて全身化学療法を開始した結腸直腸癌症例193例を対象に、治療期間中のVTEの発生状況について後方視的に検討した。
【結果】全解析対象集団193例の内訳は、男性111例:女性82例、年齢中央値は68.3歳(28.7-85.8)。経過中に何らかのVTEを認めた症例は36例(18.7%)であった。Adjuvant治療症例群でのVTE発症割合は13.9%(36例中5例)で、非Adjuvant治療症例群でのVTE発症割合は19.7%(157例中31例)であったが、2群間には統計学的な有意差は認められなかった。VTEを発症した36例中CVポート関連は18例(50%)、CVポート関連なしが18例(50%)。発症部位についてはポート周囲20例、門脈・肝静脈5例、肺動脈4例、下肢深部動静脈2例、内頚静脈2例、下大静脈1例、下腸間膜動脈1例、上腸間膜静脈1例であった。また、VTEに対して何らかの治療を実施した症例は8例(22%)であったが、治療法については各主治医の判断に任されており未治療経過観察となった症例も見られた。
【結語】今回の解析では、大腸癌に対する全身化学療法を受けている患者の18.7%に何らかのVTEが認められた。本邦においては「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂)」があるが、欧米のように担癌患者に対するVTEの発生リスクやそのマネジメントに関しても網羅したガイドラインはまだなく、今後早急に本邦でのガイドラインの整備が求められる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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