演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

Clip-testによるl-OHP末梢神経障害の評価

演題番号 : WS36-5

[筆頭演者]
中田 健:1 
[共同演者]
大西 直:2、岡崎 智:3、大川 淳:4、豊川 晃弘:5、濱田 哲宏:6、福永 睦:7、金澤 旭宣:8

1:市立堺病院外科、2:NTT西日本大阪病院外科、3:関西医科大学香里病院外科、4:東宝塚さとう病院外科、5:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院外科、6:健保連大阪中央病院外科、7:兵庫県立西宮病院外科、8:公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院外科

 

【はじめに】
l-OHPは、進行再発大腸癌に対する化学療法および術後補助化学療法のkey drugである。l-OHPの蓄積毒性である末梢神経障害が問題となるが、減量および休薬のタイミングが重要である。CTCAEによるGrade分類は、評価者によるばらつきが指摘されている。そこで末梢神経障害の発現状況を、より簡便かつ的確に評価するためのツールとしてClip-testを考案した。
【目的】
Clip-test がl-OHPによる末梢神経障害を簡便かつ的確に評価できるどうかを検証する。
【対象と方法】
対象は大腸癌に対するl-OHP投与患者とし、毎コース開始前にClip-testを実施した。Clip-testの方法は、患者が利き手の指先でClip5個を一つずつ摘み上げて移動させ、その際の感覚を3段階(レベル1=問題なくつかめた,レベル2=つかみにくい感じがした,レベル3=つかめなかった)で自己判定する。CTCAEとClip-testの評価はできる限り別の場所で別のスタッフが行った。l-OHPの投与経過中、Clip-testのレベルの変化と末梢神経障害の発現状況との関係を調査した。
【結果】
6施設60人の患者にClip-testを実施した。治療経過中、Clip-testがレベル1でとどまった患者は47例(78.3%)、レベル2は12例(20%)、レベル3まで上昇を認めたのは1例(1.7%)のみであった。治療コース毎のClip-testのレベル平均値とCTCAEのGrade平均値の変化を比較すると、両者の間に相関関係を認めた。また、治療コース毎のClip-testのレベル2患者割合とCTCAEのGrade2患者割合の間にも、相関関係を認めた。
【考察】
一般的に用いられているCTCAEによる末梢神経障害のGrade分類は評価者間でばらつきがある。CTCAEより早期に神経症状を評価できるツールとしてPatient Neurotoxicity Questionnaireが報告されているが、質問数が多く煩雑である。Clip-testは簡便な方法であり、早期に的確に末梢神経障害の発現を評価できれば、実臨床で非常に役に立つツールとなることが期待される。今回の調査では、症状の進行に伴ってClip-testのレベル上昇がみられてはいるが、症状の変化を早期から鋭敏に感知するには至らなかった。Clip-testが減量・休薬の判断に役立つツールとなるように、レベル1と2の間に新たに評価項目を追加してClip-test ver.2を開発し、調査を再開している。
【まとめ】
Clip-testによりl-OHPによる末梢神経障害を簡便に評価できることが示唆されたが、実臨床で使用するにはさらに感度を高める必要がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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