演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

切除不能大腸癌に対する個別化化学療法:FOLFOX療法施行時のTDMの有用性

演題番号 : WS36-1

[筆頭演者]
宗岡 克樹:1 
[共同演者]
白井 良夫:1、佐々木 正貴:1、坂田 純:2、神田 循吉:3、若林 広行:3、若井 俊文:2

1:医療法人社団健進会新津医療センター病院外科、2:新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器 一般外科、3:新潟薬科大学薬学部臨床薬物治療学

 

目的】GERCOR(V308)studyでのレジメンでは、5-FU CIVは2400mg/m2で開始するが、副作用がなければ3000 mg/m2まで増量する規定であった。その結果FOLFIRI 1stでは22%、FOLFOX 1stでは34%の症例が3000 mg/m2まで増量されていた。一方Capitainらは2012年,切除不能大腸癌に対するFOLFOX6治療の際に5-FUのtherapeutic drug monitoring(TDM)を行い,area under the curve(AUC)が20~24mg・h/Lとなるように5-FU投与量を調整することにより治療成績が向上することを報告した。切除不能大腸癌自験例を対象として,Capitainらの「AUC20~24mg・h/Lを目標として5-FU投与量を調節する個別化化学療法」の有用性をretrospectiveに検討した。【方法】mFOLFOX6療法施行中に5-FUのTDMを試みた切除不能大腸癌21例を対象とした。男性16例,女性5例,年齢は58歳~82歳(中央値71歳)であり,結腸癌が10例,直腸癌が11例であった。5-FU投与日に血清5-FU濃度(ng/ml)を測定(HPLC法)し,血清5-FU濃度をグラフ化してAUC (mg・h/L)を求めた。BSAに基づいて5-FUの投与量を決定した非TDM群とCapitainの方法に準じて20~24mg・h/L のAUCを目標に5-FUの投与量を決定したTDM群とを比較検討した。この際に横軸にAUC,縦軸に腫瘍の増大率を経時的にプロットし,5-FUの投与量とレジメン変更の基準を可視化するアルゴリズムに基づいて施行した。【結果】治療期間は3~63か月(中央値17か月),MSTは19か月であった。非TDM群のAUCは16.6mg・h/LでTDM群は20.1mg・h/Lであった(P=0.093)。非TDM群の奏効率は33%であり,TDM群の奏効率は63%であった(P=0.174)。非TDM群のFOLFOX後のPS改善症例は0/9でTDM群の改善例は5/11であった(P=0.038)。非TDM群ではMST14か月, TDM群ではMST34か月であり,TDM群が有意に良好であった(P=0.036)。Grade3の副作用は4例に認められ,非TDM群は2例,TDM群は2例であった。腹膜転移症例でのDCRは非TDM群では1/2,TDM群では4/4であった。【結論】TDMに基づいて5-FU投与量を調節する個別化化学療法は奏効率の向上および生存期間の延長に寄与する可能性がある。特に腹膜転移症例では有効である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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