演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

colitic cancerにおけるstathmin1発現:dysplasia診断補助の可能性

演題番号 : WS33-4

[筆頭演者]
大曽根 勝也:1 
[共同演者]
藤井 孝明:1、高橋 遼:1、龍城 宏典:1、高田 孝大:1、須藤 利永:1、森田 廣樹:1、加藤 寿英:1、矢島 玲奈:1、堤 荘一:1、桑野 博行:1

1:群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学

 

わが国における炎症性腸疾患の罹患者数は増加傾向にある。いずれの疾患もいまだ原因不明であるため 継続的な治療が必要となり, かつ発症のピークが比較的若年であることから罹病期間は長期にわたる症例が多く、その結果腸管合併症であるcolitic cancerは増加傾向にある。colitic cancerの発癌は一般的な大腸癌とは異なると考えられており、肉眼的・組織学的にも異なる特徴を呈する。前癌病変であるdysplasiaは組織的異型に乏しいため、組織診断上、再生異型上皮との鑑別が重要である。病理診断において、p53免疫染色がdysplasiaの補助的鑑別診断法として最も汎用されているが、p53陰性のdysplasiaを拾い上げることが可能な検査方法が必要であると考えられる。stathmin1 は微小管 dynamics構成蛋白の一つであり、様々な癌種において発現することが報告され、さらにsequencialな癌化に寄与している可能性も報告されている。今回、当科にて手術を施行したcolitic cancer 5例に対して免疫組織学的にstathmin1発現を検索し、その意義について検討した。5症例全例が潰瘍性大腸炎症例であり、癌におけるstathmin1発現は全例において強陽性であった。またdysplasiaを伴った症例では、dysplasiaにおいてもstathmin1の発現が認められた。p53免疫染色と比較したところ、p53陰性のdysplasiaにおいてもstathmin1の発現が認められ、stathmin1はdysplasiaの診断補助に有用である可能性が示唆された。以上より、stathmin1は潰瘍性大腸炎におけるdysplasiaの診断補助に有用であり、colitic cancerの発癌、進展において関与している可能性が示唆された。今後症例を蓄積し検討していく予定である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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