演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

サーベイランスで診断したクローン病関連大腸癌症例の検討

演題番号 : WS33-3

[筆頭演者]
松野 裕旨:1 
[共同演者]
水島 恒和:1、中島 清一:1、高橋 秀和:1、原口 直紹:1、西村 潤一:1、畑 泰司:1、竹政 伊知朗:1、山本 浩文:1、長谷川 順一:2、根津 理一郎:3、土岐 祐一郎:1、森 正樹:1

1:大阪大学大学院医学系研究科消化器外科、2:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院消化器外科、3:西宮市立中央病院消化器外科

 

【はじめに】クローン病では一般人口と比較して大腸癌のリスクが高くなる。本邦におけるクローン病関連大腸癌の特徴として痔瘻癌を含む直腸肛門管癌の頻度が高い。しかし,肛門狭窄や痔瘻の併存から早期診断が困難で,進行癌で診断されることが多い。癌の早期発見が重要だが,サーベイランスの方法は確立されていないのが現状である。当院ではクローン病関連大腸癌のサーベイランスのために積極的に全身麻酔下肛門周囲検査を施行している。サーベイランス目的で施行した全身麻酔下肛門周囲検査の成績を検討することにより,適切なサーベイランスの方法を考える。
【対象と方法】対象は2008年8月から2015年4月で,肛門病変を合併するクローン病患者に対してサーベイランスとして全身麻酔下肛門周囲検査を実施した107例とした。当科におけるサーベイランスは全身麻酔下の肛門周囲生検と内視鏡下生検を基本としている。肛門周囲の視触診を行い,瘻管,硬結などが触知された部分に対し,16G針の生検針を用いてCore Needle Biopsyを施行する。内視鏡検査では肛門管直上部分を重点的に観察し,有所見部の生検を実施する。また,所見の有無にかかわらず,下部直腸の生検も併施する。膿瘍,瘻孔などに対する処置で切除した組織は病理検査に提出する。
【結果】サーベイランスにより癌の診断に至ったのは8例であった。癌を認めなかった99例と男女比やクローン病発症年齢,クローン病罹病期間,病型を比較した。癌の診断に至った8例は,男5例/女3例,クローン病発症年齢 21.1(±2.1)歳,クローン病罹病期間 23.8(±4.2)年,病型は全て小腸大腸型であった。癌を認めなかった99例は,男80例/女19例,クローン病発症年齢 24.5(±6.0)歳,クローン病罹病期間 19.1(±8.5)年,病型は小腸型31例/大腸型14例/小腸大腸型51例/肛門病変のみ3例であった。サーベイランスで癌の診断に至った症例では病型は全て小腸大腸型で,癌を認めなかった症例と比較しクローン病発症年齢は有意に若く(p<0.01),罹病期間は有意に長かった(p=0.018)。
【まとめ】今回の検討では,クローン病発症年齢が若く罹病期間が長い症例では,サーベイランスが重要であることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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