演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

大腸癌診断および予後マーカーとしてのMIP-1αの意義

演題番号 : WS33-1

[筆頭演者]
毛利 靖彦:1 
[共同演者]
田中 光司:1、井上 靖浩:1、問山 裕二:1、廣 純一郎:1、藤川 裕之:1、志村 匡信:1、杉澤 文:1、荒木 俊光:1、小林 美奈子:2、楠 正人:1,2

1:三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科学、2:三重大学大学院医学系研究科先端的外科技術開発学

 

【目的】 大腸癌罹患は、我が国でも増加傾向でありその死亡数も増加している。大腸癌を診断する際には、スクリーニングとして便潜血が用いられているが、その感度、特異度は満足のいくものではない。今回、我々は、プロテインアレイ手法を用いて大腸癌診断に有用なバイオマーカーを検索し、その有用性と予後に与える影響について検討し報告する。
【方法】 アレイを用いたバイオマーカー検索のため、健常者5名、早期(Stage I - II)大腸癌5名、晩期(Stage III - IV)大腸癌5名の血清を用いた。次に、アレイより得られたデータから診断に有用なバイオマーカーをピックアップし、健常者20例および大腸癌50例の血清を用いて、診断マーカーの意義について検討した。予後に関しては、前述の50例を用いて予後に関する有用性を検討し、そのカットオフ値を求めた。さらに別コホートの大腸癌117例を用いてその意義について再検証した。
【結果】 プロテインアレイを用いた検討にて健常者血清と比較して4種類のプロテインの上昇が認められ、早期大腸癌と比較して晩期大腸癌で上昇しているMIP-1αを診断および予後に有用なバイオマーカーとして抽出した。血清MIP-1α値は、健常人と比較して大腸癌症例では有意に上昇し、AUC-ROCは0.74、カットオフ値は33.7pg/mlであった。また、大腸癌組織におけるMIP-1αの発現は、正常大腸粘膜と比較して有意にMIP-1αが亢進していた。大腸癌50例の血清を用いたMIP-1α値は、COX比例ハザードモデルにて予後と関連することが示唆され、そのカットオフ値は36.4pg/mlであった。別のコホートである大腸癌症例117例にて予後との関連について検証するとMIP-1α上昇例では、有意に予後不良であった。さらに、COX比例ハザードモデルを用いて、臨床病理学的因子を加えて多変量解析を行うと血清MIP-1αは独立した予後因子(HR;2.85, 95% CI; 1.39-5.86, P=0.004)として抽出された。
【結語】 血清MIP-1αは、大腸癌診断に有用なバイオマーカーであるとともに予後を予測する有用なバイオマーカーであることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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