演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

BRAF遺伝子変異のあるStage IV大腸癌では腹膜播種が多い

演題番号 : WS32-6

[筆頭演者]
中山 祐次郎:1 
[共同演者]
山口 達郎:1、河村 英恭:1、中野 大輔:1、松本 寛:1、高橋 慶一:1

1:がん・感染症センター都立駒込病院外科

 

【背景】
大腸癌は薬物療法の進歩により治療成績は徐々に改善している。近年、遠隔転移を伴う進行大腸癌に対するKRASやBRAF遺伝子変異の有無による薬物療法の選択が普及してきたが、これらの遺伝子変異と大腸癌の臨床腫瘍学的特徴についての関連はいまだ報告が少ない。そこで、大腸癌のKRAS/BRAF遺伝子変異の有無と遠隔転移様式の関連、予後について検討した。
【対象と方法】
2008年1月から2011年11月までに、当院当科で大腸癌の手術を行った症例のうち、術後診断がStageⅣ(大腸癌取扱規約第7版)であった連続した96例につき、後方視的に検討した。遠隔転移様式を、肝・肺・子宮転移は「血行性転移」、リンパ節転移は「リンパ行性転移」、腹膜播種は「播種性転移」、2種類以上の遠隔転移様式があるものは「重複あり」とした。Lynch症候群及び家族性大腸腺腫症症例は除外した。またマイクロサテライト不安定性につき同意を得て全例でユニバーサルスクリーニングを行い、マイクロサテライト不安定性が安定(Microsatellite stable;MSS)の症例のみを対象とした。KRAS・BRAF遺伝子はダイレクトシークエンス法にて解析を行った。
【結果】
遺伝子変異について、KRAS mutation type群は25例(26.0%)、BRAF mutation type群は7例(7.3%)、どちらもwild type群は64例(66.6%)であった。また転移様式については、全例中「血行性転移」は73例、「リンパ行性転移」は22例、「播種性転移」は27例あった(重複あり)。KRAS mutation type群の25例のうち13例(52%)が「血行性転移」、5例(20%)が「播種性転移」、2例(8%)が「リンパ行性転移」であった一方で、BRAF mutation type群の7例のうち2例(29%)が「血行性転移」、5例(71%)が「播種性転移」、0例が「リンパ行性転移」であった。どちらもWild type群の64例のうち34例(54%)が「血行性転移」、5例(8%)が「播種性転移」、7例(11%)が「リンパ行性転移」であった。ここから、「播種性転移」がある症例を3群で比較するとKRAS mutation type群のうち8例(32%)、BRAF mutation type群のうち5例(71.4%)、どちらもWild type群のうち14例(21.9%)であり有意にBRAF mutation type群で多かった(p=0.01, Fisher's exact test)。
【結論】
BRAF mutation typeでは、「播種性転移」の遠隔転移様式が有意に多かった。なお、本発表は2013年癌治療学会において発表した内容に、データを追加し再検討した。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:基礎腫瘍学

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