演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

大腸癌遠隔転移巣におけるKRAS遺伝子とFDG集積との相関性

演題番号 : WS32-4

[筆頭演者]
河田 健二:1 
[共同演者]
戸田 孝裕:1、中本 裕士:2、岩本 哲好:1、長谷川 傑:1、坂井 義治:1

1:京都大学消化管外科、2:京都大学放射線診断科

 

目的: 我々は今までにFDG-PET/CT検査においてKRAS遺伝子変異のある大腸癌原発巣ではKRAS遺伝子変異のない原発巣よりもFDG 集積程度(SUVmax)が有意に亢進し、SUVmaxを測定することで75%の精度でKRAS遺伝子の変異の有無を予測できることを報告した(Kawada K, et al. Clinical Cancer Res.2012)。さらに低酸素環境ではKRAS遺伝子変異はHIF-1 alpha発現をより亢進させることでもSUVmaxを増加させることを最近報告した(Iwamoto M, et at. J Nucl Med.2014)。しかしながら遠隔転移巣においては同様の所見が当てはまるのか、またどの程度の精度でKRAS遺伝子変異の有無を予測できるかは分かっておらず、今回はそれについて検討した。
方法:大腸癌遠隔転移巣(肝臓、肺、腹膜播種、遠隔リンパ節)に対し2009~2014年に当院で術前にFDG-PET/CT検査を行ない、かつ手術で切除した55転移巣(35人)についての後向き解析。各転移巣のKRAS変異の有無はダイレクトシークエンスで、HIF-1 alphaは免疫組織染色で評価した。
結果:55転移巣での検討では、腫瘍部へのSUVmaxとKRAS変異の有無との間に相関性は認めなかった。しかしながらpartial volume effectを考慮して腫瘍径を10mm以上のものに絞ってサブグループ解析したところ、KRAS変異のある転移巣は変異のない転移巣に比べSUVmaxが有意に高かった(8.3 ± 4.1 vs. 5.8 ± 2.4; P = 0.04)。SUVmax のcut-off値を6.0とするとKRAS変異の有無は71%の頻度で予測できた。KRAS変異とHIF-1 alphaとの間には相関性は認められなかった。
結語:大腸癌遠隔転移巣においてもSUVmaxとKRAS遺伝子変異の有無の間には有意な相関性が確認された。以上の結果はFDG-PET/CT検査により大腸癌遠隔転移巣のKRAS変異の有無を予測し、抗EGFR抗体治療の治療効果予測に応用できる可能性が示唆している。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:イメージング

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