演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

抗EGFR抗体投与患者における腫瘍の局在とRAS遺伝子変異の予後へ影響

演題番号 : WS32-1

[筆頭演者]
奥田 博介:1 
[共同演者]
岩村 千晴:1、川上 賢太郎:2、伊藤 美樹:2、能正 勝彦:2、久須美 貴哉:3、細川 正夫:3

1:社会医療法人恵佑会札幌病院腫瘍内科、2:札幌医科大学医学部消化器内科、3:社会医療法人恵佑会札幌病院消化器外科

 

【目的】当院の日常臨床において抗EGFR抗体薬を投与した患者における腫瘍の局在とRAS遺伝子変異の予後への影響を検討する。【方法】盲腸から脾弯曲部までを右側結腸、脾弯曲部から直腸までを左側結腸と定義した。2009年4月から2014年7月まで当院にて104例に抗EGFR抗体薬を投与した。パラフィン包埋組織からpyrosequence法にてKRAS (codon 12, 13, 61, 146), NRAS (codon 12, 13, 61), BRAF(V600E)遺伝子変異検索が可能であった86例を検討対象とした。治療成功期間(TTF)・全生存期間(OS)の算出に関しては、カプランマイヤー法、TTF, OSの比較にログランク検定およびcox回帰分析を行った。【結果】86例中66例(76.7%)が左側結腸癌、20例(23.3%)が右側結腸癌であった。RAS野生型の頻度は、左側/右側=58/15例(87.9/75.0%)であり、性別, PS, 治療ライン, BRAF変異割合は左側/右側で偏りはなかった。RAS野生型は変異型に比べてOS:15.5/7.9M(p=0.014, HR 0.44), TTF:7.2/3.1M(p=0.004, HR 0.41)と有意に予後良好であり、左側は右側に比べてOS:16.3/8.5M(p=0.004, HR 0.67), TTF:7.2/4.5(p=0.068, HR 0.78)と左側のOSが有意に良好であった。いっぽう左側においては、RAS野生型では変異型に比べてOS:17.0/9.8M (p=0.096, HR 0.48), TTF:7.7/3.6M (p=0.029, HR 0.44)とTTFに有意差を認めたが、右側においては、OS: 9.8/5.2M(p=0.296, HR 0.56), TTF:5.2/2.5M(p=0.243, HR 0.53)と有意差を認めなかった。【結論】予後に関して左側の腫瘍は右側に比べて良好であり、抗EGFR抗体薬の治療効果は左側と右側で異なる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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