演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

愛知大腸癌遺伝子プロファイリングの当院症例での検討

演題番号 : WS31-5

[筆頭演者]
多代 充:1 
[共同演者]
中山 裕史:1、川角 佑太:1、稲垣 公太:1、木下 Mitsuru:1、Hasegawa Kazuya:1、加藤 公一:1、片岡 政人:1、竹田 伸:1、近藤 建:1

1:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター

 

大腸癌におけるKRAS・NRAS・BRAF・PIK3CA変異は予後との関連や、抗EGFR抗体の治療効果予測・新規分子標的薬剤の対象となりうる。
これまではKRASエクソン2(コドン12・13)のみ保険診療で測定可能であったが、本邦でも2015年4月からエクソン2以外のKRAS・NRAS変異(KRAS・NRAS共にエクソン2・コドン12,13、エクソン3・コドン59,61、エクソン4・コドン117,146)の有無を保険診療で行えるようになった。
2014年7月から愛知県がんセンター中央病院を中心に「大腸がんにおけるがん関連遺伝子異常プロファイルと臨床病理学的因子との相関に関する多施設共同研究」が行われ、大腸癌を対象とし、KRASエクソン2以外のKRASエクソン3(コドン59,61)、エクソン4(コドン117,146)、NRASエクソン2(コドン12,13)、エクソン3(コドン59,61)、エクソン4(コドン117,146)、PIK3CA、BRAF(コドン600)遺伝子変異のプロファインリングが行われており、当施設もこれに参加し、2015年3月9日までに当施設で34例の登録が行われた。
その内訳としては、上行結腸9例(26.5%)、横行結腸2例(5.9%)、下行結腸2例(5.9%)、S状結腸10例(29.4%)、直腸11例(32.4%)であった。
このうち、KRASコドン12変異8例(23.5%)、コドン13変異4例(11.8%)、コドン146変異1例(2.9%)、PIK3CAコドン542変異1例(2.9%)、コドン545変異1例(2.9%)、BRAFコドン600変異1例(2.9%)を認めた。
KRASエクソン2(コドン12・13)野生型で、他のKRAS・PIK3CA・BRAF変異を認めたものは3例(8.8%)であった(PIK3CA単独に変異があり、化学療法が適応となる症例は認めなかった)。
当施設では、この結果をもとに、RAS・BRAF変異を有する症例には抗EGFR抗体薬は使用しない方針で化学療法の選択を行っている。
当施設でのRAS・PIK3CA・BRAF遺伝子変異の頻度としては、いずれも既報告例と比較すると低かったが、単施設の結果であり、症例数が少ないことも関わっていると考える。
しかし、今回の結果でも、KRASエクソン2(コドン12・13)野生型の中にも他のRAS・BRAF・PIK3CAに変異を有する症例を認めた。このことから、KRASエクソン2以外のRAS・BRAFを測定する意義は高いと考える。
愛知大腸がん遺伝子プロファイリングの内、当院での症例に関して、検討し報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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