演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

ゲノムスクリーニングネットワークの将来像 - 愛知大腸がん遺伝子プロファイル研究(2)

演題番号 : WS31-4

[筆頭演者]
谷口 浩也:1 
[共同演者]
中山 裕史:5、高野 奈緒:6、上原 圭介:6、鹿野 敏雄:8、石榑 清:7、横山 裕之:9、田近 正洋:4、小森 康司:3、室 圭:1、柴田 典子:2、谷田部 恭:2

1:愛知県がんセンター中央病院薬物療法部、2:愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断部、3:愛知県がんセンター中央病院消化器外科部、4:愛知県がんセンター中央病院内視鏡部、5:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター、6:名古屋大学医学部附属病院、7:愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院、8:市立四日市病院、9:小牧市民病院

 

【背景】大腸がんにおけるRAS(KRAS/NRAS)遺伝子変異検査は抗EGFR抗体薬の適応を決定するための検査として保険償還された。最近、BRAF遺伝子、PIK3CA遺伝子変異の有無も大腸がん治療個別化に有益な情報となりうるとの報告が散見される。しかしながら、測定に対する臨床現場での需要は高いものの未だ保険償還されていない。また、これら希少な遺伝子変異を有する患者に対象を限定した新規分子標的薬の開発が行われており、多数の患者をスクリーニングできるゲノムスクリーニングネットワークの重要性が指摘されている。国内の都道府県がん診療拠点病院を中心としたNationwideな大腸がんゲノムスクリーニングネットワークの報告はあるものの、県・地域単位でのネットワーク構築に関する報告は少ない。【対象と方法】2014年8月より愛知県内のがん診療連携拠点病院を中心とした各施設からの腫瘍検体を愛知県がんセンター中央病院に送付、同院にて遺伝子変異測定を実施し、その結果を速やかに各施設に報告する前向き観察研究を実施している。測定対象遺伝子変異はKRAS(codon 12, 13, 61, 146)/NRAS(codon 12, 13, 61)/BRAF V600/PIK3CA E542, E545, H1047、測定方法はLuminex法とした。【結果】2015年3月末現在14施設202検体の遺伝子変異解析が行われた。検体の内訳は原発巣/転移巣 88%/12%、外科的切除検体/生検検体 77%/23%、腫瘍細胞割合:50%以上/50%未満76%/24%であった。198例(98%)で遺伝子変異解析結果が得られた。測定不能4例の内訳は、腫瘍細胞なし1例、増幅不良3例であり、3例中2例は化学療法施行後の腫瘍検体であった。遺伝子変異割合は、KRAS exon2変異 35.3%、exon2以外のKRAS変異 5.6%、NRAS変異 4.6%、BRAF変異 5.1%、PIK3CA変異 8.2%であった。また、原発巣/転移巣、切除検体/生検検体、腫瘍細胞割合において、各遺伝子変異割合に明らかな違いを認めなかった。検体受領から結果報告までの期間は平均4日(中央値3日、範囲1-13日)であった。【結論】大腸がんを対象としたRegion-wideなゲノムスクリーニングネットワークの構築が可能であった。迅速な結果報告により、実地臨床での治療選択に役立つと考えられた。希少フラクションを対象とした治験の候補患者のスクリーニングにも有用であり、全国的なゲノムスクリーニングシステムを補完する形で地域単位での同システムが必要と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:地域連携

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