演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

HER2陽性乳癌における術後補助TCbH(Docetaxel+Carboplatin+Trastuzumab)療法の経験

演題番号 : WS30-1

[筆頭演者]
前田 訓子:1 
[共同演者]
山本 滋:1、西山 光郎:1、北原 正博:1、井上 由佳:1、徳光 幸生:1、兼清 信介:1、筒井 理仁:1、永野 浩昭:1

1:山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学分野

 

【はじめに】
2011年にHER2陽性乳癌の術後補助療法としてCarboplatinが承認されたことより、当科では、HER2陽性乳癌の術後補助療法の一つとしてTCbH療法を行ってきた。今回その忍容性について検討したので報告する。
【対象と方法】
2013年11月から2015年3月までにHER2陽性乳癌と診断され、術後TCbH療法を施行した6例を対象とした。TCbH療法はDocetaxel :75mg/m²、Carboplatin :AUC 6、Trastuzumab:初回8mg/kg、維持量6mg/kgを3週毎に投与し6コース行った。前投薬はAzasetron +Dexamethasone +Aprepitantを使用した。1コース目は可能な限り1週毎の診察と血液検査を行い、有害事象についてはCTCAEv4.0を用いて評価した。
【結果】
年齢の中央値は49歳(34~70歳)、腫瘍径の中央値は1.6cm(0.7cm~5.0cm)、腋窩リンパ節転移陰性:4例、転移陽性:2例(いずれも転移リンパ節個数は1個)、ER陽性:4例、ER陰性:2例であった。完遂率は6例中5例(83%)であった。
投与量に関しては、Docetaxelの減量投与なし:2例、20%減量投与:1例、30%減量投与:3例であった。Carboplatinは全例で減量投与を行い20%減量投与:3例、30%減量投与が3例であった。
血液毒性は貧血(G1/2:3例、G3:1例)、血小板減少(G1:1例)、好中球減少(G3:1例、G 4:2例)、発熱性好中球減少(FN)は2例に認めた。非血液毒性は、悪心・嘔吐(G1/2:5例)、四肢および顔面の浮腫(G1/2:3例)、末梢神経障害(G1/2:3例)、食欲不振(G3:1例)であった。治療中止となった1例は、65歳以上の症例であり、1コース後Grade 2の嘔気と倦怠感を認め、投与継続を希望されず中止となった。
【まとめ】
TCbH療法は、DocetaxelならびにCarboplatinの減量投与にて、安全に施行可能であった。しかし、G3/4の好中球減少を半数に認めるため、施行にあたっては十分な注意を要する。また、悪心・嘔吐の発現率が高く、投与後1週間以上にわたり症状が持続する例も認められ、高度催吐リスクに対する制吐療法の必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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