演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

食道扁平上皮癌患者における胸管周囲リンパ節郭清の有用性に関する研究

演題番号 : WS3-3

[筆頭演者]
前田 祐助:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、島田 理子:1、松田 諭:1、福田 和正:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、川久保 博文:1、亀山 香織:2、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学病院外科学教室、2:慶應義塾大学病院病理学教室

 

【目的】我々は食道癌根治術において根治性の向上を目標として2009年より食道切除術に胸管合併切除を併施している.胸管合併切除を行うメリットとして,広範なリンパ節郭清が可能であることに加え,胸管結紮が乳び胸の予防につながるという報告もある.しかし,胸管切除に伴い術後の経腸栄養の効果減少や循環動態の変動などのリスクを伴うとされており,胸管切除の有用性は明らかではない.今回,我々は,食道切除術に胸管合併切除を併施した症例において胸管合併切除の腫瘍学的意義に関して検証した.【対象と方法】本研究にはUICC-TNM分類第7版を使用した.2013年6月から2014年9月までに胸管合併切除を伴う右開胸食道切除術を施行した44例を対象として前向き観察研究を行った.高度な肝機能障害を有する例,サルベージ手術例,他臓器障害を認める例は胸管温存の方針となり除外した. TDLNの転移頻度を集積し,臨床病理学的因子との関連を検討した.また,TDLN転移と縦隔リンパ節転移の関連を検討した.【結果】44例のうちTDLN転移を認めた症例は3例(6.8%)であり,腫瘍局在(Ut/Mt/Lt, 1/2/0)と胸管リンパ節転移部位(上部/中部/下部, 1/2/0)は一致していた.TDLN転移と治療前因子の検討においては,TDLN転移群では有意にリンパ節転移個数が多かった[cN0/1/2/3, TDLN転移(+) 1/0/1/1, TDLN転移(-) 17/13/11/0, P=0.002].原発部位[Ut/Mt/Lt, TDLN転移(+) 1/2/0, TDLN転移(-) 4/24/13, P=0.309],術前化学療法[None/NAC/NACRT, TDLN転移(+) 2/1/0, TDLN転移(-) 16/24/1, P=0.635]との関連は明らかではなかった.病理組織学的因子との関連については,TDLN転移群において,有意にpNが進行しており,#104転移陽性例が多かった.病期については,TDLN転移群は,pStageIII/IVが2/1例であった.縦隔リンパ節転移との関連に関しては,TDLN転移陽性例において,左反回神経周囲リンパ節転移,鎖骨上リンパ節転移が有意に多かった.【結論】TDLN転移陽性例は,高度リンパ節転移を伴う進行食道癌に多かった.今後,前向きの症例集積を継続することに加え,TDLN転移の有無と予後の関連を検討することで,食道切除術における胸管合併切除の有用性を確認していく必要があると考えられた.

キーワード

臓器別:食道

手法別:病理

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