演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

頸部食道癌における所属リンパ節と病期分類 の検証

演題番号 : WS3-1

[筆頭演者]
竹林 克士:1 
[共同演者]
坪佐 恭宏:1、新原 正大:1、對馬 隆浩:2、横田 知哉:2、小野澤 祐輔:2、今井 篤志:3、上條 朋之:3、飯田 善幸:3、島田 理子:1、坊岡 英祐:1、小川 洋史:4、佐藤 弘:5、鬼塚 哲郎:3、安井 博史:2

1:静岡県立静岡がんセンター食道外科、2:静岡県立静岡がんセンター消化器内科、3:静岡県立静岡がんセンター頭頚部外科、4:静岡県立静岡がんセンター放射線治療科、5:埼玉医科大学国際医療センター上部消化管外科

 

【背景】食道癌取り扱い規約やUICC-TNM分類の病期分類は食道癌の治療方針を決める上で広く汎用されているが、UICC-TNM分類第7版の中では頸部食道癌に特別の分類が採用されていないため、胸部食道癌と同じ分類を使用せざるをえない。所属リンパ節は反回神経リンパ節と頚部傍食道リンパ節のみであり、それ以外は遠隔転移として扱われている。頸部食道癌においては、所属リンパ節の同定はこれまでの報告でも明確ではない。そこで、今回われわれは頸部食道癌におけるUICC-TNM第 7 版と食道癌取り扱い規約での所属リンパ節、病期分類の妥当性を検証した。
【方法】2002 年から 2013 年の間に当院で治療を行った頸部食道癌76例をレトロスペクティブに検討した。食道癌取り扱い規約とUICC-TNM第 7 版もとづき病期分類し、予後解析した。さらに食道がん取り扱い規約でN2までに相当する胸部上部食道傍リンパ節、深頸リンパ節、鎖骨上リンパ節を所属リンパ節として修正したmodified-stage(mStage)での予後を検証した。
【結果】患者背景は男:女=62 : 14、年齢の中央値は 66 歳(35-81)であり、手術治療が25例、化学放射線療法が51例に行われた。cN+は 63 例(82.9%)に認めた。全症例における 5 年生存率は42.57% であった。食道がん取り扱い規約に基づいたcStage別にみると、Stage Ⅰ:4例、StageⅡ:14例、StageⅢ:16例、StageⅣa:34例、StageⅣb:8例、であり、5 年生存率は,Stage Ⅰ:100%、StageⅡ:52.96%、StageⅢ:42.33%、StageⅣa:42.02%、StageⅣb:14.29% であった。UICC-TNM第 7 版に基づいたcStage別にみると、Stage Ⅰ:5例、StageⅡ:11例、StageⅢ:25例、StageⅣ:35例であり、5 年生存率は,Stage Ⅰ:66.7%、StageⅡ:65.63%、StageⅢ:54%、StageⅣ:20.9% であった。さらにmStage別にみると、mStage Ⅰ:5例、mStageⅡ:13例、mStageⅢ:45例、mStageⅣ:13例であり、5 年生存率は,mStageⅠ:66.7%、mStageⅡ:56.6%、mStageⅢ:43.6%、 mStageⅣ:19% で、各Stageが最も正確な予後を反映する分類となった。
【結語】リンパ節転移の個数での層別化は予後をよく反映しているが、頸部食道癌においてはより正確な所属リンパ節の規定が必要である。鎖骨上リンパ節、反回神経リンパ節、胸部上部食道傍リンパ節は遠隔転移と考えるより所属リンパ節として扱うことで、より正確な予後分類ができる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:診断

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