演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

FDG-PETによる乳癌術前化学療法の治療効果判定の有用性

演題番号 : WS28-4

[筆頭演者]
中川 剛士:1 
[共同演者]
小田 剛史:1、細矢 徳子:1、久保田 一徳:2、植竹 宏之:3

1:東京医科歯科大学乳腺外科、2:東京医科歯科大学放射線科、3:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科総合外科学分野

 

【目的】術前化学療法(NAC)の利点として、pCRが予後予測因子になること,乳房温存率の増加,原病死の原因である微小転移巣に対しての早期治療,薬剤の効果判定などがあげられる。我々は2006年よりNAC前後にFDG-PETを施行し,pCR診断能、予後予測因子、遠隔転移出現の有用性について検討した。【対象、方法】対象は2006/9-2014/1にNACを開始し、アンスラサイクリンとタキサン2種類を完遂したStageⅡ,Ⅲ乳癌93例を対象とした。術前にハーセプチンを使用した症例は含んでいない。FDG-PETは化学療法開始前と、終了後に撮影した。原発巣の「FDG異常集積あり」はSUVmax 1.7以上とした。【結果】FDG-PETにより、2例(2.2%)にNAC中の骨転移の出現が確認され、1例は手術を施行せず化学療法継続となり、92例に対して手術施行した。pCRは21例であったが1例は異常集積が残存していた。「NAC後にFDG異常集積がある場合はnon-pCRである」検査感度は30%(特異度95%)であった。手術施行例92例中、再発26例,原病死19例であった。NAC後のFDG異常集積がある症例は予後不良であり、特にER陰性群においてはさらにその傾向が強い。【考察】NAC後原発巣にFDG異常集積がある場合、non-pCRの感度が低く,pCRを目的としたNACの効果判定には有用ではない。FDG異常集積がある症例は、全般的に予後不良であるが、特にER陰性群では予後不良因子となりうる。ER陽性群では、NAC効果が不十分であっても、術後内分泌療法が有効であるため、NAC後にFDG異常集積がある場合が必ずしも予後不良ではない。NAC施行中に遠隔転移が出現することが稀にあり、その検索にはFDG-PETは有用である。【結論】NAC前後のFDG-PETの施行は,ER陰性群における予後予測因子と、NAC中の遠隔転移出現の確認に有用である可能性がある。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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