演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

乳癌術前化学療法におけるtumor infiltrating lymphocytesの検討

演題番号 : WS28-1

[筆頭演者]
四元 大輔:1 
[共同演者]
飛田 陽:2、大井 恭代:3、相良 安昭:1、佐藤 睦:1、松方 絢美:1、寺岡 恵:1、木谷 哲:1、金光 秀一:1、相良 吉昭:1、松山 義人:1、安藤 充嶽:1、相良 吉厚:1、雷 哲明:1

1:社会医療法人博愛会相良病院乳腺外科、2:日本赤十字社松山赤十字病院病理診断科、3:社会医療法人博愛会相良病院病理診断科

 

(目的)癌周囲の微小環境であるtumor infiltrating lymphocytes(TIL)は、triple negative(TN) 乳癌やHER2陽性乳癌において予後因子としての報告はあるが、術前化学療法(neoadjuvant chemotherapy:NAC)における病理学的完全奏効(pathological complete response:pCR)の効果予測やNAC後の予後因子としての報告は少ない。(対象と方法)対象は2007年11月~2014年9月にNACを行った119症例。内訳はTN乳癌:50症例、HER2陽性乳癌:69症例。NACはアンスラサイクリン、タキサンレジメンで行い、HER2陽性では全例トラツスズマブを投与した。TILはHE染色で3段階に分類し、「リンパ球浸潤のある面積/浸潤癌とリンパ球浸潤を伴う周囲間質を合計した面積」が10%未満(low)、10~50%(intermediate)、50%以上(high)と定義した。生検TILとNACの効果(pCR)との関連、non-pCR症例の手術検体TILと予後との関連をそれぞれ検証した。観察期間中央値はTN乳癌が23ヶ月、HER2陽性乳癌が29ヶ月。予後に関してはrecurrence free survival(RFS)をlog-rank test, Cox解析で検討した。(結果)【TN乳癌】pCRは21例(42%)。生検TIL / NAC後TILはlow:17例(34%)/10例(35.7%)、intermediate: 20例(40%)/14例(50%)、high: 11例(22%)/4例(14.3%)で、生検TILが高値ほど有意にpCRが増加し(p=0.023)、単変量解析において生検TILはpCRと有意に相関関係を示した(p=0.019)。RFSはNAC後TILが低値ほど有意に予後不良であった(Hazard ratio:13.2, 95%Confidence Interval:1.54~114.6, p=0.018)。【HER2陽性乳癌】pCRは29例(42%)。生検TIL / NAC後TILはlow:19例(27.5%)/13例(33.3%)、intermediate: 22例(31.9%)/19例(48.7%)、high: 15例(21.7%)/7例(18.0%)で、生検TILはpCRと相関関係は認めなかった(p=0.73)。RFSはNAC後TILが低値ほど有意に予後不良であった(Hazard ratio:24.4, 95%Confidence Interval:2.96~201.5, p=0.003)。(結語)TILはTN乳癌ではNACの効果予測因子であったが、HER2陽性乳癌では予測因子でなかった。またNAC後のTILはTN乳癌、HER2陽性乳癌ともに低値ほど有意に予後不良であった。今後さらなる症例集積を行い、NAC前後のTILの変化と予後との関連を明らかにしていく予定である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:病理

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