演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

術前の乳腺超音波・造影MRI検査からみた、乳管内進展と娘結節病変に対する治療戦略

演題番号 : WS24-4

[筆頭演者]
椎野 翔:1 
[共同演者]
木下 貴之:1、神保 健二郎:1、麻賀 創太:1、高山 伸:1

1:独立行政法人国立がん研究センター中央病院

 

【目的】乳癌の手術療法は大きく乳房切除術と乳房温存療法に分けられる。特に、乳房温存療法を行う場合、術前検査において、主腫瘍周囲の乳管内進展や娘結節の有無の評価は、乳房温存療法を施行できるかどうかと乳房内再発において重要な因子となってくる。
今回我々は、当院における術前の乳腺超音波と造影MRIにおける結果と病理学的所見を対比させ、乳管内進展と娘結節における評価を行った。
【方法】
2013年7月~12月において手術を施行された273例において、当院で施行された乳腺超音波検査とMRIで、乳管内進展もしくは娘結節を指摘された浸潤癌75例において、病理学的所見との対比を検討した。
【結果】
75例にて、組織型は、浸潤癌が60例、特殊型が15例(うち浸潤性小葉癌10例)であった。Stage IAが38例、IIA 19例、IIB 10例、IIIA 4例、IIIC 3例であった。病理学的浸潤径は中央値 1.5cm(0.3-6.5cm)であり、非浸潤癌を含めた全体径は中央値3.4cm(0.3-9.0cm)であった。乳腺超音波検査において、乳管内進展は36例、娘結節病変は19例指摘された。MRIにおいて、乳管内進展は41例、娘結節は33例で指摘された。病理学的所見との対比を行ったところ、乳腺超音波検査での乳管内進展は、感度・特異度でそれぞれ73.7%、77.8%だった。娘結節病変は、それぞれ73.6%、90.9%だった。それに対して、造影MRIでは、乳管内進展は、感度・特異度それぞれ84.2%、75%だった。娘結節病変は、それぞれ78.9%、67%だった。
【結論】乳腺超音波検査と比較して、造影MRI検査のほうが、乳管内進展・娘結節病変に対して感度は良好であり、特異度は若干不良となる傾向であった。娘結節病変は、乳腺超音波検査で同定するのに良好であった。造影MRI検査では、乳管内進展・娘結節ともに、病変を過度に評価している可能性が示唆された。乳管内進展と娘結節病変の有無は、両検査の特性を認識し、全体的に評価して治療に臨む必要性があると考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

前へ戻る