演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

非腫瘤形成性の術前DCIS診断例におけるFDG-PETによる浸潤評価の可能性

演題番号 : WS24-2

[筆頭演者]
藤井 孝明:1 
[共同演者]
矢島 玲奈:1、大曽根 勝也:1、龍城 宏典:1、桑野 博行:1

1:群馬大学医学部病態総合外科外科学

 

術前針生検査にてductal carcinoma in situ(DCIS)の診断であっても、術後invasive ductal carcinoma(IDC)と診断される乳癌症例はしばしば経験される。術前に浸潤の有無を正確に評価できれば、センチネルリンパ節生検の省略が可能と考えられる。乳癌におけるFDG-PETの役割は比較的限定的と考えられ、その理由として腫瘍径や組織型に依存してFDG集積が影響を受けやすいことが挙げられる。腫瘍径が小さく、悪性度が低い場合は偽陰性が多くなるとされ、DCISではIDCに比較して、FDG集積が低く偽陰性になる可能性がある。しかし、術前DCISと診断された症例におけるFDG集積は、逆に浸潤を反映している可能性があると仮説をたて、今回、術前針生検にてDCISと診断され、術前FDG-PETを施行した症例を対象に、浸潤評価の可能性について検討した。術前針生検にてDCISの診断にて手術を施行し、術前PET/CTを施行した原発性乳癌の24例を対象とした。24例中、術後IDCと診断された症例は13例(54.2%)であった。DCIS群とIDC群を比較したところ、腫瘍の範囲、触診での確認の有無、maxSUV値、核異型度、マンモグラフィによる腫瘤描出の有無では両群間に差を認めなかったが、FDG集積が認められない偽陰性例はDCISで6例(54.5%)と高率に認められ、IDC群では全例にFDG集積を認め、偽陰性例は認められなかった。さらに、FDG-PET偽陰性例は、全例が腫瘤非形成性の症例であり、腫瘤形成性の症例ではDCIS、IDCにかかわらず全例で腫瘍に一致したFDG集積が確認された。そこで、腫瘤非形成性の12例を対象にDCIS群とIDC群で比較したところ、IDCの5例は全例でFDG集積を認め、DCISの7例中6例(85.7%)と高率にFDG-PET偽陰性であり、FDG集積は1例のみであった。以上より、術前FDG-PETは術前DCIS診断例において、浸潤評価に有用である可能性があり、特に腫瘤非形成性の症例においてFDG集積は浸潤を反映している可能性があり、浸潤評価に極めて有用である可能性が示唆される。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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