演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

前立腺癌全摘標本から考えるfocal therapyの治療領域とその問題点

演題番号 : WS19-6

[筆頭演者]
金尾 健人:1 
[共同演者]
梶川 圭史:1、小林 郁生:1、村松 洋行:1、森永 慎吾:1、西川 源也:1、吉澤 孝彦:1、加藤 義晴:1、渡邊 將人:1、全並 賢二:1、中村 小源太:1、住友 誠:1

1:愛知医科大学医学部泌尿器科

 

(背景)現在前立腺癌に対しfocal therapyを行う場合、unifocal、unilateral、hockey stickといった治療領域が設定されている。しかしながら、この様な治療領域で、どの程度の前立腺癌が治療可能であるかは十分検証されていない。また、どの様な前立腺癌をfocal therapyの適応とするかのコンセンサスも十分得られていない。
(目的)前立腺癌の全摘標本における癌病巣の局在部位を同定し、これらの症例にfocal therapyを考えた際にどの様な治療領域の設定が可能であったかについて検討する。また、腫瘍一つ一つの病理学的な解析から、focal therapyを行う上での問題点を明らかにする。
(対象と方法)当施設で前立腺全摘除術を行った104例の前立腺癌患者を対象とした。前立腺全摘標本上で腫瘍のマッピングを行い、3次元解析ソフトを用いて3次元構築した。腫瘍一つ一つを同定し、体積、Gleason score, stageを決定した。また、前立腺を前後左右に4 分割した場合の各腫瘍が占める局在部位を同定した。次に、最近のfocal therapy の適応を各腫瘍に適応したうえで、全摘症例104例の治療を再検討し、focal therapyを考える上で問題となりえる症例を明らかにした
(結果)104例の全摘標本内に計441個の腫瘍を同定した。0.5cc以上の腫瘍を治療対象とした場合、癌病巣の含まれる領域は、quarter 9例(14.5%)、unilateral 18例(29%)、anterior bilateral 11例(17.7%)、posterior bilateral 3例(4.8%)、hockey stick 13例(21%)、 whole prostate 8例(12.9%)であった。Focal therapyを考えるうえで問題となりえる症例は30例(28.8%)存在した。問題となり得る症例として、腫瘍体積<0.5ccかつ GS ≧8あるいはestablish EPE(+)の腫瘍を含む症例は6例(5.8%)、0.5-1.3ccかつGS 4+3の腫瘍を含む症例は13例(12.5%) 、>1.3ccかつGS 3+4の腫瘍を含む症例は11例(10.6%)存在した。
(結論)前立腺癌に対するfocal therapyを検討する場合は、anterior bilateral(上半分)あるいはposterior bilateral(下半分)といった治療領域の設定も検討する必要があると考えられた。また、体積の小さいhigh grade, high stageの腫瘍、体積の大きいlow gradeの腫瘍を含む症例も少なからず存在することから、 focal therapyの適応のコンセンサスに向けて今後検討すべき課題が多いと考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:局所療法

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