演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

去勢抵抗性前立腺癌患者の診断時予後予測因子の解析

演題番号 : WS19-2

[筆頭演者]
加藤 真史:1 
[共同演者]
都築 豊徳:2、木村 恭祐:6、深津 顕俊:4、木村 亨:5、石田 亮:3、佐々 直人:1、松川 宜久:1、吉野 能:1、後藤 百万:1

1:名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学、2:名古屋第二赤十字病院病理部、3:名古屋第二赤十字病院泌尿器科、4:小牧市民病院泌尿器科、5:社会保険中京病院泌尿器科、6:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター泌尿器科

 

【目的】 去勢抵抗性前立腺癌患者の予後予測因子として診断時ALPや貧血の有無、Performance status (PS)など種々の因子がこれまで報告されている。一方でIntraductal carcinoma of the prostate(IDCP) は周囲組織への浸潤性が高くBRCA2 mutationとの関連も最近報告された前立腺癌腫瘍細胞の導管内進展をあらわす病理学的因子である。我々はこれまでIDCPがhigh risk前立腺癌の前立腺全摘の摘出標本において臨床再発や癌特異的生存率の有意な予後予測因子となることを報告してきた。今回骨転移を有する前立腺癌症例において、一次ホルモン療法再燃、前立腺癌死および全生存率それぞれにつき解析を行い有用な予後予測因子をretrospectiveに検討した。
【方法】 対象は2002年から2012年の間に診断された180例の前立腺癌骨転移症例のうちdataの利用可能な150例の患者。生検標本は、2005 ISUP (International Society of Urological Pathology)に順じ1病理医により再評価を行い、同時にIDCPの存在についても解析を行った。解析因子はPerformance status (PS)、診断時疼痛の有無、T stage、他臓器転移、年齢に加え生検標本におけるGleason score(GS)、Gleason pattern 5の有無、IDCP、診断時のPSA、ALP、Hb値。Endpoint は一次ホルモン療法奏功率, 癌特異的生存率(CSS)および全生存率(OS)とした。
【成績】 診断時年齢は中央値73歳(50-90)、診断時PSAは中央値328ng/ml (4.2-10992)。解析対象患者150人中、生検標本においてIDCP陽性が100例、陰性が50例であった。背景因子として、IDCP陰性群と陽性群で有意に差が付いた因子として、GS・GS5の存在・PS・貧血・血清ALP値であった。多変量解析(Fine と Gray の比例サブハザードモデル)では、一次ホルモン療法再燃においてGS5の存在のみが(P=0.026)、CSSではIDCPのみが(P=0.018)有意な予後予測因子となり,OSに関しCox回帰では単変量解析でGS,GS5,IDCP,anemia,high ALPが有意となったが、多変量解析ではIDCPのみが有意な因子となった(P=0.0012)。
【結論】 骨転移を有する前立腺癌患者において一次ホルモン療法再燃に関しGS5の存在が最も強い因子となったが、一方で癌特異的生存率および全生存率ではIDCPが唯一有意な予後予測因子となった。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:病理

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