演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

進行卵巣癌の術前化学療法の至適投与サイクル数-Long NACかShort NACか?

演題番号 : WS15-6

[筆頭演者]
浮田 真沙世:1 
[共同演者]
藤島 理沙:1、宮川 知保:1、青木 稚人:1、村上 幸祐:1、貫戸 明子:1、高矢 寿光:1、小谷 泰史:1、島岡 昌生:1、飛梅 孝子:1、中井 英勝:1、辻 勲:1、鈴木 彩子:1、万代 昌紀:1

1:近畿大学医学部産婦人科

 

【目的】卵巣癌における術前化学療法(NAC)の治療成績は標準治療と同等であることが近年示された。通常はNAC 3-6サイクル後にinterval debulking surgery(IDS)を行うことが推奨されているが、NACの至適サイクル数については詳細な検討はない。当科では2013年1月までは、CRを目指して通常6コース以上のNACののちIDSを行っていた(Long NAC)が、その後は原則3-4コース後にIDSをおこなう方針(Short NAC)へ転換した。そこで両者を比較することでNACの至適サイクル数を検討することとした。
【方法】2008年から2013年に治療を開始した進行卵巣癌でNACを行った症例を対象とした。IDSまでの化学療法が6サイクル以上をLong NAC群(n=19、median=10サイクル)、5サイクル以下をShort NAC群(n=9、median=4サイクル)として後方視的に検討を行った。
【結果】全生存率と無増悪生存率は両者で有意差はなかった。IDS時にoptimal surgery が可能であった率は、Long NAC群、Short NAC群でそれぞれ94%と100%、周辺臓器の合併切除を要した症例は5.3%と33.3%、病理学的寛解率は26.3%と11.1%であった。再発率はLong NAC群52.6%(10/19例)、Short NAC群33.3%(3/9例)で、そのうちの70%、100%が腹腔内への再発であった。Long NAC群で病理学的寛解に至ったものは、腹腔内への再発は認めなかった。
【結論】Long NACはShort NACに較べ、拡大手術を避けられるメリットがある一方で、再発率はやや高く、肉眼的に残存腫瘍が消失した状況で手術を行うことで顕微鏡的な腫瘍を残存させてしまう恐れがある。一方、Long NACによって病理学的寛解が得られる率が増加し、これらでは腹腔内再発を減らせる可能性が示唆された。症例によっては多回数のNACを施行することが有用である可能性があり、個別化するための症例集積が今後必要と考える。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

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